2年ぶり27回目出場の東北地区第1代表、JR東日本東北(宮城・仙台市)が開幕戦に登場。前年覇者のホンダ(埼玉・狭山市)に5-3で快勝した。2-2の同点で迎えた7回に鈴木聖歩が勝ち越し2ラン。先発したルーキー右腕・竹本祐瑛がホンダ打線を最速147キロの直球を軸に、7回5安打3失点に抑える好投で開幕戦勝利を飾った。次戦は12月3日、NTT西日本(大阪市)と対戦する。

7回、JR東日本東北打線の集中打が勝利を大きくたぐり寄せた。2-2で先頭打者の大保優真主将がこの日4本目の安打を中前に放ち出塁。東北地区予選で打率5割超えの鈴木がホンダの3番手左腕・中村伊吹が投じた真ん中高めのスライダーを強振、打球は高々と舞い上がり左中間席に飛び込む2ランで4-2と勝ち越した。鈴木は「後ろにつなぎたいという思いだけ。打った瞬間、いったと思いました」と会心の1発に笑みを浮かべた。その後、石井信次郎が左中間に二塁打、安西聡が中越え三塁打を放ち4安打で3点を挙げた。石井は3回に先制中犠飛、安西は5回2死満塁のフルカウントから際どい外角低めスライダーを見極めて押し出し四球を選ぶなど、鈴木とともに計11安打の打線のキーマンとなった。

投げては来秋のドラフト候補に名前が挙がる先発のルーキー右腕・竹本が見事に役割を果たした。初回に1死二、三塁のピンチを招くも、この日最速147キロのストレートなどで相手4、5番を2者連続三振に仕留め、波に乗った。だが、4回、ホンダ井上彰吾の右越えソロなどで2失点。7回を投げきったところで足がつって降板したが、「真っすぐで押せたのが良かった。先頭をしっかり抑えることとランナーをためないことを意識しました」と、東京ドーム初登板を振り返った。開幕戦勝利を収めた西村亮監督は、「選手が持っている力を出してくれた。(前年覇者のホンダが相手で)こちらは思い切って向かっていくだけで、あたって砕けろの気持ちで臨めたのが良かった」と勝因を挙げた。

初戦を快勝したチームは、東日本大震災の苦難を乗り越えて出場した11年のベスト4超えを目指し、1戦必勝で戦っていく。