阪神のセットアッパー岩崎優投手(30)が大台を突破した。5500万円増の年俸1億5000万円でサイン。阪神では鳥谷敬以来となる入団から8年続けての昇給で積み上げた。

マウンド上と同様、金額の話題でも表情を崩さなかった。能見篤史(現オリックス)以来となる生え抜き左腕の1億円プレーヤー。節目の数字にも「目標にしたことはない。また来年、しっかりしないといけませんので、それだけです」と落ち着いて話した。

もちろん評価には満足している。「継続してルーキーの時から投げていると評価していただいた。こだわっているところでもあるので、ありがたく思います。本当にトレーナーさんのおかげと思います」。コツコツと仕事をつとめ上げてきた自負を示した。

まだまだ目指すべきものがある。チーム最多タイの62試合に登板して自身最多の41ホールドを挙げたが、タイトルに輝いたヤクルト清水と9差のリーグ2位。チームと同じく、1番になれなかった。「(救援)失敗もあり、そこが何とかできていれば。とにかく失敗の数を減らしたい。来季は優勝して、個人でもタイトルを取ってというシーズンにしたい。自分が引っ張っていかないといけない」。2年連続セーブ王のスアレス退団で抑え候補にも挙げられ、自覚も十分芽生えている。

究極の目標は失敗ゼロかという質問に「もちろんそうです」と即答した。オフ期間は打たれた場面や、相手打者の動画を見て研究中。“失敗しない男”を追い求める岩崎の挑戦は続いている。【柏原誠】