藤井のために-。楽天西川遥輝外野手(30)が28日、ロッテ5回戦(ZOZOマリン)の1回に今季4号となる先頭打者本塁打を放った。この日、プロ初登板初先発を迎えた藤井聖投手(25)と、試合前に援護点を約束していた。左翼守備でも大きな飛球をたびたび好捕し、攻守で初勝利をアシストした。
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西川のファーストスイングが幕張の夕空を切り裂いた。1ストライクからの2球目、ロッテ美馬の143キロを右中間へ打ち上げる。「入るとは思いませんでした。昨日、おとといと仕事をしていなかったので、仕事ができてよかったです」。ホームランラグーンに運ぶ4号ソロで、今カード3試合連続の初回先制に成功した。
西川の先頭アーチは17日ソフトバンク戦(鹿児島)以来、今季2本目。自身通算では7本目で、うち3本をZOZOマリンで打っている。得意の千葉で放った1発には、男の約束が込められていた。この日先発の藤井はプロ初登板。緊張していた左腕に「5回までに3点取る」と宣言して第1打席に立った。マウンドに上がる前から、早くも援護をもらった藤井は「本当にありがたい、うれしい点をいただきました」と感謝しきりだった。
藤井が打ち取った当たりは、責任を持ってアウトにした。3回にロッテ・エチェバリアの打球が左中間深くへ飛べば、西川は快足で追いついてジャンプ。フェンスにぶつかりながらも離さなかった。
打てなくても四死球で出る。開幕から不動の1番打者として、高い出塁率をキープしている。投手出身の石井GM兼監督は「プレーボールがかかった最初の打者ってすごく大事。ポンとアウトが取れると、投手は自分のリズムがつくれてしまう。そこら辺を簡単に相手に渡さない打者」と揺るぎない信頼を置く。
ただ“約束”を耳にした指揮官は「ああ、2点少なかったですね」とポロリ。7回には、西川らが安打で広げた2死二、三塁の好機を、代打銀次が決めた。「頑張って投げていたし、この1点を取ったら大きいと思って打席に入りました」と気合のヘッドスライディング。援護は3点に満たなかったが、先輩たちのおとこ気で藤井に勝ちが付いた。約束は、果たされたと言っていい。【鎌田良美】



