阪神西勇輝投手(31)が、8回4安打無失点の快投で6勝目をもぎ取った。今季初対戦の巨人を相手に、今季最多124球の熱投。打線の大量援護にも背中を押され、チームの今季11度目のゼロ封勝利に大きく貢献した。

「序盤からたくさん点を取ってもらって、何とか最少失点でと思いながらマウンドに上がってました。たくさん点が入ったので、気の緩みがないように引き締めていきました」

今季初のカード2戦目の登板。最後まで集中力を保った。6点リードの3回。2死一塁から味方守備のエラーで一、三塁のピンチを招くも、3番丸を二ゴロに封じ無失点。4回以降は岡本和、ポランコの中軸にカーブを有効に使って寄せ付けなかった。8回で降板したため惜しくも完封を逃した。「9回行きたかったんですけど、(首脳陣から)来週の試合もあると言われたので、我慢して」と本音をこぼしつつ「次の機会に自分のピッチングができるように頑張りたい」と“完封リベンジ”を誓った。

次々と得点が入る展開でも、攻撃中の「にやけ顔」を自ら封印した。「絶対笑わないように。笑ってしまったら点を取られてしまうということが自分の中ではある」とあえて平静を装った。攻撃中は表情を緩めず、守備では時折笑顔をみせながら、最後まで集中力を切らさなかった。

新たな手応えもつかんだ。「これだけ点が入ったら、好きなことができるかなと思う」。4回先頭の岡本和には3球連続カーブを投じ、「なかなかないし、なかなかできない配球が、点差が生まれることによって、余裕ができて、自分の投球じゃないことができると感じた。改めて再確認できた」とうなずいた。

これで阪神移籍後、巨人戦で7勝4敗とキラーぶりを発揮。夏場の9連戦の序盤で、先発としての役割を全うした。【古財稜明】

▽阪神矢野監督(西勇について)「この点差でしっかりいくっていうことも簡単なことじゃないんで。エラー、長打で一気に流れが(変わって)、向こうもイケイケになるんで。丁寧に行きながら攻めるっていうことも出来た、勇輝らしさっていうのは出た投球だった」

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