ああ、クライマックスシリーズ(CS)が遠のいていく…。阪神が広島との総力戦で力尽き、5位に転落した。4時間38分のロングゲームを終えた矢野燿大監督も、ガックリ。「もう勝つしかないんで。状況が厳しいのは重々分かっている。今日の1敗も、しかも負けの内容も、何て言うのかな…もやもやするような負けを作ってしまったんで」と悔しさをにじませた。

最後はサンドバッグ状態だった。4-4と同点で迎えた延長11回表、7番手岩貞が打ち込まれた。1番上本、2番菊池涼、3番西川に3者連続適時打を献上するなど6失点と炎上。2回途中から登板した西純が5回まで無失点、6回島本、7回ケラーが完全投球でつないだ。同点の8回からは湯浅が「糸井さんの引退試合でもありますし、絶対に負けられない」と、今季2度目の2イニング登板で無失点。必死につないだバトンが、最後に落ちた。

4連敗を喫し、矢野政権下で初のシーズン負け越しが決定した。残り4試合で3位巨人に2ゲーム差、4位広島に1ゲーム差をつけられた。最短で24日にCS進出の可能性が消滅する。まさに正念場。指揮官は「まあ、でも、もうやるしかないんで。それも変わらない。頑張ります」と自身に言い聞かせるように必死に前を向いた。【桝井聡】

▽阪神ケラー(7回に登板し、3者凡退の好投)「梅野の素晴らしい本塁打で同点になった直後で、勢いそのまま、試合の流れをしっかりとチームに引き寄せるような投球をしたいと思っていたよ。自分の役割は果たすことができたと思うね」

▽阪神島本(6回に登板し、無失点)「まだ試合もわからない状況だったので、しっかり抑えて攻撃に流れを持っていきたいと思っていました。リズムよく投げることができたと思います」

▼阪神は今季の負け越しが決定した。残り4試合に全勝しても、69勝71敗3分けで勝率4割9分3厘となるため。勝率5割未満は金本監督最終年の18年以来、4年ぶり。矢野政権になってからは初めてだ。

▼阪神が11回表に6失点。阪神のイニング6失点以上は今月9日DeNA戦の5回に7失点があるが、延長に入ってイニング6失点したのは球団史上初めて。また、広島が延長回にイニング6得点以上は、16年8月27日中日戦で10回に7点挙げて以来6年ぶり4度目。

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