侍ジャパン井端弘和監督(48)が新遊撃手育成に着手した。宮崎市清武での秋季キャンプ2日目の7日、門脇誠内野手(22)、小園海斗内野手(23)の2人に「遊撃論」を直接指導した。ゴールデングラブ7度受賞の遊撃の名手で、中日では荒木氏とともに「アライバ」を形成。「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」(16~19日、東京ドーム)で、2人を「カドゾノ」として二遊間で起用する方針を示した。侍の次世代を担うショートの台頭を、国際舞台をきっかけに促していく。
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その言葉と動きは、徐々に熱を帯びていった。井端監督がグラブ片手に、かつての定位置に就いた。門脇と小園へ、身ぶり手ぶりを交え、約1時間にわたり「遊撃論」を伝授した。「どういう感覚で捕っているのかっていうのだけ聞いて、こっちもこういう感覚でっていうのを伝えたくらい。教えたうちに入らないですよ」。言葉とは裏腹に、自ら打球も受けながら、直接指導を志願した若侍の思いに一肌脱いだ。
逆シングルをテーマに掲げ、巨人の秋季キャンプに臨んでいた門脇には、動作への入り方と脱力の2つ。「究極は捕るんじゃなくて、足が運んでそこにボールが入ってくる。捕るという感覚をなくす」と伝えた。小園には「グラブを使おうとするのではなく、打球をグラブに入れてあげる感覚」。いずれも2人が抱える課題に対して、ゴールデングラブ7度受賞の名手が持つ感性を、言葉にして落とし込んだ。
かつて「アライバ」で一世を風靡(ふうび)した指揮官は、今大会二遊間をこの2人に託す意向を示した。「2人で二遊間を守ってほしい」と、遊撃と二塁をそれぞれ現時点で固定せずに組ませる方針。「アライバ」は若侍2人にとっても最高のバイブルで、現役時代の動画を見て育った門脇は「無駄がないの一言です」。小園も「まだ程遠いので、しっかりと捕れるようにという思いで今やっています」と、その大きな背中を追いかける。
侍のショートは近年、巨人坂本、西武源田が担ってきた場所だった。井端監督は「違う世代が出てこないと。守りの要になってくるところなので、源田選手の次は非常に大事になってくる」。かつての定位置を空白の場所にするつもりはない。英才教育を施して、次世代の名手を育て上げていく。【栗田成芳】



