阪神才木浩人投手(25)が、プロ初タイトルに前進する今季12勝目を挙げた。6イニング中4イニングで得点圏に走者を背負う投球。それでも要所で粘り、110球を投じて6回8安打無失点と踏ん張った。
「なんとか最少失点で毎回いけるようにと思っていた。ピンチになってもゼロでいけたのはよかっ」
充実の汗をぬぐった。初回には今季の規定投球回にも到達し、プロ8年目で初めて143回の大台をクリア。勝利数は1位の巨人菅野と1勝差のセ・リーグ2位タイで124奪三振も2位につける。勝率8割、防御率1・57はともに3位と、いずれも3位以内で一気に4冠を狙える好位置をキープしている。
「1試合1試合が勝負なので。自分のピッチングができるように頑張れれば」
本人は無欲を強調するが、鬼門も破った。神宮は過去4試合に先発したが未勝利。白星は18年6月30日に救援で挙げた1勝のみで、苦手になりかねなかった。これでセの全本拠地を制覇し、もう怖いものはない。
どんな相手や条件でも毎回、自分自身の投球に重点を置く。ベストコンディションを整え、ベストボールを投げ込むことに徹している。競技こそ異なるが、その感覚は記録と向き合う陸上競技とも少し似ている。
「陸上個人競技の“対戦相手”は自分の記録。僕らは団体競技で敵がいる。でもピッチャーは最初のスタート。自分のパフォーマンスを出せる最大の条件がそろっている。そういう意味では、その日のパフォーマンスを出せるようにするのがすごく大事だと思う」
団体競技でも、先発が流れをつくるかどうかが勝敗に直結する。だからこそ、スターターとしての責任を胸に日々腕を振っている。
岡田監督も「5回で代えてもええけど、ビーズリーとちゃうからのう。勝ち頭やからな。(最多勝の)チャンスあるからな」とタイトルをアシストしていく方針。背番号35が、逆転Vを引っ張る。【波部俊之介】



