日本ハムに大きな戦力が戻ってきた。試合開始2時間前の午後4時ごろ。「幽霊やないよ」と笑みを浮かべて球場入りしたのは日本ハム小村勝社長(58)だ。その数分後、サプライズの温かく大きな拍手に包まれて感涙した。新庄監督が自身のインスタグラムで、その様子の動画を投稿した。
小村社長が球団関係者に誘導されたのは三塁側ベンチ裏の食堂。そこには新庄監督やコーチ陣、選手、スタッフが勢ぞろい。涙声であいさつした。
小村社長 頭をケガして後遺症はないんですけど、後遺症はちょっと涙もろくなったかもしれません。
以前と変わらぬ、軽妙な関西弁でユーモアを交えながら、言葉を続けた。
小村社長 チームの調子が良くて、それに勇気づけられて何とか生還しました。ありがとうございます。エスコンでのCS、見せてください。お願いします。このまま頑張ってください。ありがとうございました。
6月に北海道・北広島にある球団事務所で倒れた。くも膜下出血。札幌市内の病院に運ばれた。生死のはざまで受けた、10数時間に及ぶ開頭手術が成功。そこからは医師も驚く奇跡的な回復を見せ、約3カ月で現場復帰を果たした。
見舞いにも通っていた新庄監督は、小村社長へ「僕たちが日本シリーズに連れて行くので、楽しんで」と声をかけた。そんなチームの新たな船出となった試合は2回に先制し、6回に追加点を奪い、エース伊藤が快投。逆転優勝は厳しくても、CSからの下克上、日本一は夢ではない。“奇跡の社長”がチームに大きな推進力を与えた1日となった。【木下大輔】



