プロ通算525本塁打の清原和博氏(57)を父に持つ慶大・清原正吾内野手(4年=慶応)が、リーグ戦初本塁打を放った。
1点ビハインドで迎えた9回2死走者なし。打席に入った清原は「6回、チャンスの打席で打てなくて(三振)悔しかった。最後、4番として僕が決めてやるという思いで、マインドチャージができていました」。初球、真ん中高めのカットボールを捉えると、打球はぐんぐん伸び、センターバックスクリーン左に飛び込んだ。「芯で捉えた、ほぼ完璧な当たりでした」。一塁を回り胸の近くで力強くガッツポーズを作ってみせた。
敗戦の色が濃くなる状況で、値千金の1発。チームの負けを消し、同点のホームを踏むと、一塁側で観戦する父・和博氏を指さした。「見たか! とアピールしました(笑い)。安堵(あんど)している顔が見えました」。成長した姿を、父に見せつけた。
昨秋はベンチを外れスタンドから声援をおくった。チームメートが奮闘する姿に、かつての父がプレーする姿を重ね合わせ、「自分も応援される選手になりたい」と夢を抱いた。その実現のために、この1年、低く強い打球を打つことを課題に、バットを振り続けてきた。どんな劣勢の場面でも「僕は練習をしてきたから大丈夫」と、自分に言い聞かせ、強い気持ちで打席に立ち、ここぞの場面で結果につなげた。
堀井哲也監督(62)は「真っすぐに負けなくなった。甘い球にもどんどん手が出るようになった。インコースもさばけるようになった。今日は外の変化球に苦しみましたが、また克服してくれる、という期待があります」と、驚く程のスピードで成長をみせる清原に、目を丸くした。
両親のために打った1本だった。清原は「僕が大学で野球を始めた目標のひとつとしてホームランボールを両親にプレゼントする、と掲げてきたので。本当にやっとですが1号が出たのはうれしいです」。さぁ、神宮での初本塁打の次は? 「個人の目標としてはまだまだ打ち続けたいが、チームの勝利にフォーカスして頑張っていきたい」。慶大の頼れる4番は、胸を張った。【保坂淑子】



