西武のドラフト5位ルーキー、篠原響投手(18=福井工大福井)が7日のロッテ戦(ベルーナドーム)で1軍デビューしたが、5回途中4失点降板で負け投手となった。
篠原を担当した安達俊也スカウト(60)はネット裏から晴れ舞台を見つめた。「初めて篠原の投球を見たのは2年生の秋かな」と懐かしむ。「クセのない投げ方で、バランス良く投げてるなと。伸びる可能性はあるなと」。
昨春の北信越大会でまずスカウト部の上司に篠原をチェックしてもらい、その2日後は「クロスチェック」の運びに。同じ球団の大勢のスカウトで1人の選手を吟味-。西武が始めたシステムとされ、コロナ禍の中断を経て再開した。
試合では相手の帝京長岡(新潟)にも好投手の茨木佑太(現ロッテ)がおり、主に茨木目当てで数十人のスカウトが集まっていたが、西武スカウト内でのその日の指令の1つが“横目で篠原を”。一塁側での投球練習も含め、皆で篠原の素質を確かめた。
そこで「指名確定」までは至らずも、安達スカウトは担当としての仕事を続ける。昨夏の福井大会準々決勝で敗れ、篠原の甲子園出場がなくなり、やがて9月に。福井工大福井でコーチを務める山口哲治氏(66)と連絡を取る機会があった。
近鉄での先輩でもあった山口氏からの電話は。
「…おい、すごいぞ」
夏の大会を終え、夏の帰省を経て、9月に練習を再開した篠原は一気に開花。9月下旬、安達スカウトは福井へ飛んだ。
「夏より数段上がってました。これはすごいと」
映像に撮った。クロスチェックをしたからこそ、映像に映る“進化”が、誰の目にも明らかだった。
エースナンバーをもらえず、名門校にいながら全国的には無名に等しかった篠原はこうしてプロの世界に招かれ、「近未来のエース」と呼ばれるまでになった。【金子真仁】



