<ソフトバンク10-2西武>◇5日◇福岡ヤフードーム

 若鷹が躍動だ!

 ソフトバンクが今季2度目の2桁得点で大勝した。3年目21歳の今宮健太内野手が3回1死から2戦連発となる先制2号ソロを放てば、7回には2年目23歳の柳田悠岐外野手がプロ1号2ラン。若い2人が松田不在の打線を活気づけた。

 今宮は「2日連続は本当にできすぎ。インコースをうまくさばけた。体が回って最後にバットが出てきた」と白い歯をのぞかせた。打った球は内角低めの直球。前日の1号も同じコースの変化球だった。

 大分・明豊高では高校通算62発。内角打ちは「もともと得意だった」という。ただ、高3春と夏の甲子園で花巻東の菊池雄星(現西武)の内角攻めに完敗。「(内角に)困ったこともあった。でも、自分がレベルアップすれば追いつけると思ってた」。成長を自ら感じる2日間となった。

 今年1月に故郷の大分・別府市に後援会「翔健会」が発足。会員約120人が初めて福岡ヤフードームに来場する最高のタイミングだった。両親も観戦。母一子さん(57)は「1軍でホームランを初めて見られてよかった」と感激した。

 柳田も負けてはいられない。多村の負傷で途中出場。7回、右翼席へ推定135メートルの特大弾を放った。通算81打席目での初アーチ。昨年、ウエスタン・リーグの本塁打王に輝いた左のスラッガーは「最高ですね。ボールをたたきつぶしてやると思っていた。今宮が打ったし、自分も打ちたかった」と満面の笑みだ。

 前回対戦で、8回1死まで無安打に抑えられた西武武隈に倍返しだ。3発を含む13安打10得点での快勝に、秋山監督は「いい点の取り方だった」。勝率5割に王手をかけ、チームのムードは上げ潮だ。【大池和幸】