<ソフトバンク1-2日本ハム>◇2日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク武田翔太投手(19)がプロ初被弾の1球に泣き、初黒星を喫した。1点リードの4回無死一塁から、日本ハム4番中田に内角高め143キロ直球を振り抜かれ、左翼席に軽々と運ばれた。逆転の18号2ランにマウンド上で「アイタ~ッ」と顔をゆがめた。

 「あの1球だけ。内角を攻めようと思ったら甘いところに行った。1球で2点は大きい。でも投手が動揺しちゃダメ」と、猛反省した。

 それでも、内容のある投球だった。新人を酷使しないチーム方針から降板のメドは100球とされる中、102球で6回5安打2失点。直球の威力も回復し、最速150キロをマーク。8三振を奪った。足りないのは打線の援護だけだった。

 4勝目を挙げた翌日の8月20日、疲労などを考慮されて出場選手登録を抹消された。1日だけだったが宮崎に帰省し、2月以来となる実家に帰省した。心身ともリフレッシュした中13日での登板で、スーパールーキーぶりを見せつけた。

 秋山監督は「あの1発だけだね」と責めなかった。それでも武田は「悔しい気持ちしかない。めげずに頑張りたい」と満足していない。自力Vの可能性が消滅する中、19歳の存在感と負けん気ばかり際立った。【石橋隆雄】