「あの春」から1年-。甲子園を沸かせた2人の再戦が早速、南国・沖縄でかなうことになりそうだ。セ・パ両リーグは14日、来季オープン戦の日程を発表。日本ハムは2月23日、春季キャンプ地の名護で阪神と同戦の開幕試合を行う。日本ハム栗山英樹監督(51)はこの日、今年のセンバツで対戦したドラフト1位ルーキーの花巻東・大谷翔平投手と、阪神同1位の大阪桐蔭・藤浪晋太郎投手(ともに18)がオープン戦で直接対決する可能性に触れ、前向きに考えていることを示唆。名勝負の再現へ、期待が高まる。

 高校球界を沸かせた怪物コンビの夢対決が、早ければ来年2月にも実現する。日本ハムと阪神が2月23日、日本ハムキャンプ地の沖縄・名護でオープン戦初戦を行うことが決定。この日、優勝旅行先のハワイから一足早く帰国した日本ハム栗山監督は、成田空港で報道陣の取材に応じ、話題性、スター性とも抜群の2人のルーキー対決に言及した。「ファンが1人でも喜ぶ対決を作っていくのも我々の使命だと思っているので、それも考えます」と、直接対決の演出を、前向きに検討していることを示唆。オープン戦で組まれた阪神戦は、初戦の名護と、3月9日甲子園の2試合あり、野球ファン注目のカードとなりそうだ。

 球界初となる投手と野手の“二刀流”を目指す大谷の育成が第一という考えに変わりはない。重要なのは体作りで、プロで戦える土台作り。「(キャンプの1軍)スタートもどうかな?

 と考えている。丁寧に考えたい」と、慎重だが「体が万全なら、どんな対決もありだよ」と栗山監督。「(大谷は)打つ方の勝負はあるだろうけど、投げる方はどうかな。藤浪君はソフトバンク武田のように(1年目の)来年から勝てる投手。順調ならオープン戦初めから投げられる状態で勝負してくるだろう」と、まずは“打者・大谷”と“投手・藤浪”の対決が可能であることをにおわせた。

 大谷VS藤浪といえば、150キロの競演で甲子園を沸かせた今年3月21日のセンバツ1回戦が記憶に新しい。“投手・大谷”は9失点で苦杯をなめたが、“打者・大谷”は藤浪から弾丸ライナーの先制ソロを放っている。高校時代から互いに意識し、切磋琢磨(せっさたくま)してきた2人。再戦を熱望している藤浪とのライバル物語は、舞台をプロに移し第2章へ。球春の到来とともに、スタートする。【中島宙恵】

 ◆藤浪VS大谷VTR

 今年センバツ初日で激突。両者最速150キロ、2ケタ奪三振をマークしたが、9-2で藤浪の大阪桐蔭が勝った。藤浪は2回、スライダーを4番大谷に捉えられ、右翼へ先制本塁打を許した。4回にも失点し0-2とリードを許すも、5回から立ち直り12奪三振で完投。大谷は6回に3点を奪われ逆転されると、7回には2ランを浴び、9回も暴投や4四死球と乱れ、173球で降板。8回2/3を7安打、11奪三振、9失点(自責点5)。