日本ハムのドラフト1位、花巻東・大谷翔平投手(18)に、本拠地の札幌ドームからビッグなクリスマスプレゼントが贈られる。日本ハムは18日、25日に大谷本人と正式契約を結び、札幌市内のホテルで入団会見を行うと発表した。当日、大谷は、急きょ開放される札幌ドームのマウンドへ上がり“第1球”を投じる。栗山英樹監督(51)の熱望もあり打席に立つサプライズもありそうで、入団会見から“二刀流”披露となりそうだ。

 聖なる夜に新しい「背番号11」が札幌ドームのマウンドに降り立つ。国民的アイドル、SMAPの全国ドームツアー翌日、熱気が残るダイヤモンドの中心から、日本ハムのドラフト1位大谷が“プロ第1球”を投げ込む。打席に立つのは、栗山監督だ。試合ならベンチで構えるはずの指揮官が、自ら名乗りを挙げた。

 18日、北海道スポーツ記者倶楽部の12年MVPに選ばれ、札幌市内のホテルで行われた授賞式に出席した栗山監督は、入団を待ちこがれた最速160キロ右腕との“対戦”に「初めてだし、札幌ドームの打席に立ちたい。このボールは嫌だなとか、打席で見れば確認が出来るしね」と胸の高鳴りを抑えきれない様子。「打席に立つ姿も見たいな。それは、うまく球団が考えてくれると思うけど」と“入団決定=即二刀流”を披露する大谷の姿を想像し、目尻を下げた。

 大谷にとっては、地元の期待がぎっしり詰まった、特別なプレゼントとなる。新入団選手が本拠地、札幌ドームのマウンドに立つのは、10年の斎藤以来、2年ぶり。当初は斎藤同様にファンが見守る中で入団会見を行う予定だったが、前日までSMAPのコンサートがあるため、撤収作業などの影響で不可能に。記者会見は札幌市内のホテルで行うことになったが、将来のエース候補に対する期待の大きさからドーム側が配慮し、特別にマウンドの使用を許可。一般開放はしないため、まさに大谷1人のためのサプライズとなった。

 栗山監督はこの日「高校2年の春、ネット裏で見たボールの角度を忘れない。何で、こんなに角度がつくんだろう…と」と、取材者として大谷を追っていた日々を思い出していた。数々の苦難を乗り越えて、いよいよ目にすることができる「日本ハム大谷」の晴れ姿。ダルビッシュ(レンジャーズ)に代わる「背番号11」の姿に、一面銀世界の北国が熱くなる。【中島宙恵】

 ◆斎藤は梨田監督に第1球

 10年ドラフト1位の斎藤佑樹投手は、同年12月9日に無料開放された札幌ドームで入団会見を行った。セレモニーではマウンドに上がり、梨田監督相手にプロ第1球を投じた。「五分くらい(の力)」で投じたボールは高めに外れたが、集まった8000人のファンを喜ばせた。