ニックネームの定着も、大物になる条件のひとつ?

 日本ハム栗山英樹監督(51)は、ドラフト1位で入団する花巻東・大谷翔平投手(18)に愛称をつけた。「『ヨシツネ』って呼ばれるんじゃない?

 あの凜(りん)とした感じ、人に愛される感じ、清潔感、そういうイメージ。お父さんも(翔平ではなく義経と)つけようとしたらしい。そういう名前、いいね」と笑顔で話した。

 源義経は、大谷の生まれ故郷、岩手・奥州市の隣の平泉を拠点にした武将。幼名の牛若丸も有名だ。弁慶との決闘は数多くのエピソードがあるが、スマートな義経が、体の大きな弁慶を倒すというのも見どころ。そのイメージを大谷とダブらせた。

 古くは長嶋茂雄、王貞治の「ミスター」「ワンちゃん」。近年でも佐々木主浩の「大魔神」、松井秀喜の「ゴジラ」や金本知憲の「アニキ」など、人気と実力を兼ね備えた選手には、個性を表すニックネームがある。この日のパレードでも、ファンから「大谷君は投手と打者どっちをやらせるんですか?」と質問が飛んだほど、大注目を浴びているルーキー。指揮官もファンも、ヨシツネのデビューを心待ちにしている。

 ◆義経と奥州の関係

 源義経は、少年期を過ごした京都にある鞍馬寺から16歳の時に弁慶とともに寺を脱出。奥州藤原氏の当主・藤原秀衡を頼り、成人するまで平泉で過ごした。現在も岩手県内には義経ゆかりの地が数多く残り、観光地となっている。大谷の出身地である奥州市には、平安時代の建造物を再現したテーマパーク「歴史公園えさし藤原の郷」があり、05年に放送されたNHK大河ドラマ「義経」のロケ地にもなった。