無敗の格闘家でプロボクシングWBOアジア・パシフィック・バンタム級王者の那須川天心(26=帝拳)がK-1の元3階級制覇王者の「戦友」武尊(33=team VASILEUS)に対し、独特なエールを送った。22年6月、格闘技イベント「THE MATCH」(東京ドーム)でキック対決した両者。16日には那須川、武尊がそれぞれ別会場ながら都内で会見するという偶然のタイミングとなった。
先に同日午後3時から武尊が25年3月23日、さいたまスーパーアリーナで開催される格闘技イベントONE172大会の発表会見に出席。前ONEフライ級ムイタイ王者ロッタン・ジットムアンノン(27=タイ)との同級キックボクシング・スーパーファイト3分5回で対戦すると発表した。11月のジェイコブ・スミス戦で判定勝利したものの、計量時に体重超過。同級王座を剥奪されたばかりだった。
同日午後5時30分からアスリートらの社会貢献活動を表彰する「HERO,S AWARD 2024」の式典に出席した那須川はトロフィーを授与された。式典後の同8時すぎ、武尊-ロッタン戦発表を報道陣から伝えられた。那須川はロッタンと18年6月、RISE世界フェザー級王座決定戦で対戦。6ラウンドという延長判定の末、何とか勝利を挙げた。当時のマイクパフォーマンスでは「試合に勝って勝負に負けた」という薄氷の白星だったライバルとなる。
本来ならば今年1月に開催される予定の武尊-ロッタン戦だったが、ロッタンの負傷で中止されていた経緯がある。那須川は「発表されたのは今日ですか? ONEはちょっと難しいですよ。けがだったり、どうなるか分からないし。いろいろな検査がありますから」と試合自体の開催を含めて注視していく姿勢を示した。
那須川が延長判定勝利したロッタンに対し、武尊がどのようなファイトをするかにファンは注目している。那須川は「もっとONEという認知度を(日本で)上げないといけないし、見てもらわないといけないものをつくっていかないといけない。今回は注目されると思う。それ以降、どうするのか」と解説。今後も武尊がONEのけん引役を務められるかどうかの重要な一戦になるとの認識があるからこその独特エールだった。
那須川自身も格闘家時代、ONEへの参戦を希望していた時期があった。19年3月に両国国技館で開催されたONE日本大会を視察。当時からONEに参戦していたロッタンとの再戦にも興味を示していた。那須川は武尊、ロッタンともに対戦経験のある元戦友の対決、そして参戦に興味を示していたONEの「未来」に期待を寄せている。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)


