西三段目48枚目の春日龍(33=中川)が、今場所から結びの一番の後に行われる弓取り式を務めることになった。当初は前任で東序二段25枚目の聡ノ富士(40=伊勢ケ浜)が、今場所まで務める予定だったが、今月に入ってから急きょ前倒しで交代することが決まった。弓取り式は横綱の付け人が務めるのが慣例。関係者によると、聡ノ富士が付け人を務めた元横綱日馬富士関が引退したことも、少なからず影響したという。暴行事件の余波は多方面に及び、白鵬の付け人が後任を務めることになった。

 春日龍はこれまで部屋のある神奈川・川崎市で行われた巡業で2度、弓取り式を務めたことがある。だがそれ以外の経験はなく、ぶっつけ本番に近い状態。初日を終えた後には「頭が真っ白だった」と、極度の緊張状態に陥った。さらに2日目には、結びの一番の直前にトイレに行きたくなった。行くか我慢するか迷ったが、慣れない化粧まわしを着けていることもあって世話人に我慢するよう諭された。まだ日々のリズムをつかめず初々しさを残す。

 3日目を終えた後は「課題はせり上がり。でもいろんな人がアドバイスをくれるので、ありがたいこと」と笑顔も見せた。慣れない中にも向上心にあふれていた。【高田文太】