日本相撲協会公式アプリ「大相撲」の“進化”が、ネット上で話題を呼んでいる。今場所から幕下上位5番と十両の取組ムービーを視聴できるようになったからだ。対象は有料会員だが、これまで視聴できる取組は幕内に限定されていた。日本相撲協会の広報部は「お客さんにより良いサービスを届けられれば」と説明。NHKがネットで幕内の取組を配信する中、特色を出す形となった。

しかし、協会公式アプリの動画拡大はまだあまり知られていない様子。今場所幕下上位5番以内の取組に入ることが多い元横綱大鵬の孫、東幕下7枚目納谷は、自身の取組が協会公式アプリに上がっていることに話題が及ぶと「そうなんですか?」と目を丸くした。

力士が自身の取組を振り返る手段はさまざま。十両若元春は「母親から送られた動画を見てます」という。最近はスマホが主流だが、NHKの大相撲中継を録画し、部屋宿舎に戻ってから見返す関取もまだまだ多い。十両水戸龍は「アベマの録画機能で見てます」と、ネット中継を駆使。ただ「帰りの車で見ると頭の中が一日中相撲になるので、帰ってから見ます。気が張り詰めちゃうので」。関取の戦いは15日間。帰路くらいは少し、気を休めたい。【佐藤礼征】

(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)