WBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が19日、都内のジムで今回最長となる8回のスパーリングをこなした。4月15日横浜アリーナで、同級8位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)を初防衛戦で迎え撃つ。

 来日中の外国人パートナー3人を相手に、武器の右ストレートや左右ボディーを打ち込んだ。ロープを背にしてから回り込んで攻撃など、さまざまな場面を想定していた。「ボディーがうまく打てていた。疲れはあるが、いい感じだった」とまずまずの手応えを得ていた。

 挑戦者に対しては「出入りが激しい。スピードもあり、テクニックはボクより上のところもあり、それに付き合わないでいきたい」と分析する。今回の戦い方のテーマは「焦らずじっくり」。「焦って追いかけていくと自分のバランスが崩れる。ばたばたしないでどっしりしたい」という。理想として、ロシア生まれの名王者コンスタンチン・チューの名を挙げた。チューはスーパーライト級でWBAスーパー王座を始め、WBC、IBFと3団体を制した。「むだのない動きとうまい攻め」を手本にする。

 前夜は子供が早く寝たこともあって「チャンス」と映画を見たそうだ。「疲れはそれがあるかも。もうやめます」。初防衛に向けて「みんなは世界戦2試合目でプレッシャーがある。ボクはすでに2戦しているので」と、初挑戦失敗もプラスに考える余裕もあった。