ボクシングWBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太(35=帝拳)が29日、さいたまスーパーアリーナで臨む世界的なスターでIBF世界同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(39=カザフスタン)との王座統一戦の延期が3日、正式発表された。

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の急拡大を受けた政府による全世界を対象にした外国人の新規入国を原則禁止している影響で、この日午前中、スポーツ庁からゴロフキン陣営の来日に関する申請が現時点で受け入れられないとする連絡が入ったという。ゴロフキン陣営は米国、ロシア、カザフスタンなどから約20人が来日する予定だった。

帝拳ジム公式サイトでは「来春へ延期」とし「オミクロン株によるコロナ陽性者が国内でも確認されたことを踏まえ感染対策強化を優先させ、延期することを決定」と発表。さらに「今後は関係各位との協議の上、感染状況を見極めながらあらためて開催日時を検討いたします」と説明している。来春開催へと仕切り直すため、今後もゴロフキン陣営と話し合いを続けていくことになる。

村田にとって19年12月、スティーブン・バトラー戦での初防衛成功以来、約2年ぶりのリングで、世界的人気スター選手との注目の王座統一戦だった。興行総費用は88年、90年に東京ドームで開催された元統一ヘビー級王者マイク・タイソン戦の総額20億円を超える規模とされた。また、チケット最高額もタイソン戦の15万円を超える22万円と設定されるなど、日本ボクシング界史上最大規模のビッグマッチとして注目されていた。