「浪速のロッキー」と呼ばれた元プロボクサーの俳優赤井英和(63)の長男英五郎(27=帝拳)がプロ初勝利を挙げた。

プロデビューとなるマッチョパパ一基(33=協栄新宿)と拳を交え、2回0分50秒、レフェリーストップによるTKO勝利を挙げた。

昨年9月、岡村弥徳(八王子中屋)との東日本新人王ミドル級4回戦でプロデビュー戦に臨んだものの、1回TKO負け。約10カ月ぶりの再起戦で待望の白星を奪った。

1回、いきなり相手の左フックを浴びてぐらつくと、赤井は「目が覚めた」と冷静に対処し、左右フックで応戦。続く2回、大振りのパンチを回避して左ジャブを浴びせると、すぐに強烈な右アッパー一閃(いっせん)。キャンバスに大の字になったマッチョパパを見届けるとレフェリーストップ勝ちとなった。「KOになって良かった。(デビュー戦負けの)辞めようとは思わなかった。納得いく終わり方をしたかったので、次に向けて準備するしかないと考えていた。良い教訓になった」と振り返った。

リングサイドで長男のプロ初勝利を見届けた父英和は「英五郎は足の強さを使って打つパンチが強い。それが今日出ていた。かなりのダメージになる。ミットやサンドバッグを持って受けたパンチは誰よりも強いから」と高く評価。「私も父がずっと試合を見てくれていたが、親にこんなにハラハラドキドキさせていたんだ。勝って喜ばせていたんだと感じた」と手放しでほめた。

東日本ミドル級新人王準決勝は9月27日に予定され、相手は元K-1戦士の左右田泰臣(34=EBISU K,s BOX)との顔合わせになる。東日本新人王獲得まで、あと2勝だ。「勝って自信がつきました。(準決勝まで)2カ月ちょっとあるので直せるところを直していきたい」。口元を引き締めつつ。一戦一戦に集中する姿勢を貫いていた。