前WBO世界スーパーフライ級王者で現WBA世界同級6位の井岡一翔(34=志成)が世界王座に返り咲いた。

前日計量で3キロを超える体重超過で王座剥奪された前同級王者ジョシュア・フランコ(27=米国)に勝てば王座獲得、負ければ空位の変則的な世界戦に挑み、3-0の判定勝ちを収めてベルトを手にした。

井岡はリング上で涙声で、「今日また、こうやって、チャンピオンに返り咲くことができました。この瞬間を見せられると、未来の子どもたちに、こうして必ず報われるという姿をみせたかった。必ず、未来、過去ではなく、この瞬間をかみしめてやっていければ、僕が証明したように、必ずみなさんもやっていける」とメッセージを伝えた。

昨年大みそかのWBA、WBO世界同級王座統一戦でドローだったフランコとの約6カ月ぶりの再戦を制し、決着をつけた。

試合3日前となる21日深夜、前回のフランコ戦後のドーピング検査で採取した尿検体から大麻成分(THC-COOH)が検出されたと日本ボクシングコミッション(JBC)から発表された。世界反ドーピング機構(WADA)の基準の上限を超えるものではなく「違反なし」と結論づけて試合開催は容認されたが、大きな衝撃となった。

その異例発表の余波は王者フランコの最終調整にも影響し、3キロ以上も体重超過して王座剥奪。当日計量による契約体重(58・97キロ)をクリアして試合はしたものの、減量からの回復差、体重差などが懸念された。井岡にとって指名試合の義務が生じたWBO王座を返上してまで選択したフランコとの即再戦。地上波ではなく、初めてPPV(ペイ・パー・ビュー)配信で中継された「覚悟のリマッチ」と銘打たれた1戦だった。

これで区切りのプロ通算30勝目を挙げ、国内トップの世界戦通算勝利数も21勝に伸ばした。前日計量クリア後、井岡は「この試合に必ず勝ち、自分が王者にならないといけない試合だと思っている。ここまで自分のボクシング人生、やってきた生きざま、昨年大みそかを超える姿をお見せしたい。過去の自分を必ず超えてみせる」と話していた。宣言通りのフランコ撃破で、次は身の潔白を証明する戦いに挑む。

<ラウンドVTR>

▽1回=50秒すぎにフランコが左ジャブから左ボディーのコンビネーションで先制打。中盤からフランコがプレッシャーを強めるが、井岡は左ジャブで突き放す。2分、井岡の右フックが決まる。フランコも左アッパー返す。

▽2回=フランコが左ジャブを多用してプレッシャーをかける。50秒すぎに井岡の右フックがカウンターで決まりフランコが後退して防戦一方に。2分過ぎにフランコが左フックを返すも、井岡は前に出て、左ボディーブローを再三決める。

▽3回=フランコが手数を出して前に出る。井岡はガードしてカウンターを狙う。1分過ぎに井岡の右フック、さらに左ボディーブローが決まる。井岡は狙いをボディーにしぼって再三好打。終盤には顔面に右ストレートもヒット。

▽4回=序盤はフランコが多彩な左でペース握る。50秒すぎにフランコの左アッパーから連打がヒットするが、井岡もボディーブローで応戦してフランコを後退させる。1分半すぎにフランコの右フックがヒット。その後は一進一退の打ち合いに。

▽5回=開始からフランコが前進。井岡は足を止めて迎え撃つ。パンチの応酬は井岡の的中率がやや上か。1分過ぎにフランコの連打で井岡がロープに後退。その後、井岡は左フックの連打で反撃するが、フランコも応戦。

▽6回=序盤はフランコが連打で前進も、井岡は決定打を許さず。50秒すぎに井岡の左フックがクリーンヒットも、フランコはかまわず前へ。残り1分、井岡は前に出てボディーブローから連打。残り30秒、井岡の連打にフランコが後退。

▽7回=6回にフランコが右目上をカット。30秒すぎの井岡の右フックが先制打に。中盤は接近しての打ち合いに。井岡の左ボディーーブローが有効。2分過ぎからの打ち合いはお互い引かず。

▽8回= フランコが盛んに左ジャブを突く。その隙を縫って井岡の左フックがヒット。フランコは連打で前進するが、井岡もボディーブローから反撃。一進一退の攻防が続く。2分過ぎの打ち合いは井岡の左ボディーブローが有効だが、フランコも顔面への連打で応戦。

▽9回= 開始からフランコの手数が上回るが、フランコの右目尻の流血が目立つ。1分過ぎに井岡の右フック、左ボディーブローのコンビネーションがヒット。フランコの動きが一瞬止まる。2分過ぎから井岡が前進してプレッシャーをかける。フランコの反撃は空転。

▽10回=フランコがフットワークを使い始める。40秒過ぎにフランコのワンツーで井岡が後退。井岡は手数が少ない。終盤は打ち合いはなかったが、手数でフランコやや有利か。

▽11回=フランコが中間距離からのパンチを振り回して前進。井岡はガードに追われる。中盤は井岡のボディーブローも決まるが、フランコも細かい連打で応戦。2分過ぎから井岡がボディーブローを軸に手数を出し始める。ほぼ互角の展開。

▽12回=フランコが左ジャブからのワンツーで前進。井岡は左ボディーブローを返す。中盤は接近戦での打ち合い。ともに譲らず。残り1分、井岡が左フックでフランコを後退させる。終盤は手数でフランコ、井岡の有効打が効果的か。

試合は3-0の判定で井岡が新王者に。

【写真たっぷりライブ速報】渦中の井岡一翔、体重超過で王座剥奪フランコと6カ月ぶり再戦

【動画】井岡一翔が盟友AK−69とともに入場 「覚悟のリマッチ」がはじまる

【動画】井岡一翔が覚悟のリマッチ 2.9kg超過の前王者相手に左フック