プロボクシングWBA世界バンタム級1位の那須川天心(26=帝拳)が6月8日、東京・有明コロシアムで世界前哨戦に臨むことが18日、発表された。

対戦相手はWBA世界同級6位ビクトル・サンティリャン(29=ドミニカ共和国)との同級10回戦となる。今年2月、前WBO世界同級王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)戦に判定勝利して以来、約4カ月ぶりのリング。同日には都内のホテルでカード発表会見に臨み「ここまでしっかりこられたので、こっからが勝負。那須川天心の次の試合、今年どうなるか本当にたくさん楽しみなことがいっぱいある。しっかりと、のろしをあげたい」と意気込みを示した。

拳を交えるサンティリャンは23年6月、石田匠とのWBA世界同級挑戦者決定戦で来日経験がある世界ランカー。ボクシング転向後、初のサウスポー対決だ。現在、バンタム級はWBA王者堤聖也(29=角海老宝石)が左右スイッチ、WBC王者中谷潤人(27=M・T)、IBF王者西田凌佑(28=六島)、WBO王者武居由樹(28=大橋)はサウスポーとなる。那須川は「世界王者はサウスポー選手が多いので、そこに向けた戦いということになる」とテーマを掲げた。

さらに那須川は「トラウマ」の払拭(ふっしょく)も意識した。18年大みそか、無敗で引退した元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザーとのエキシビション戦で1回で倒された(公式記録は勝敗なし)。サンティリャンがメイウェザーと同じく頭をそり上げた風貌をしていることもあり、那須川は「ちょっとスキンヘッドの選手には、やられていることがある。恐怖症なんで、そこを。メイウェザー? そうですね。そこのトラウマをしっかりと抜きたいなと思います」と自ら切り出して克服を誓った。

現在、世界ランキングではWBA2位、WBC1位、IBF4位、WBO2位と上位に入っており、サンティリャン戦が世界挑戦に向けた仕上げの「最終関門」となる。那須川は「本当に今、日本ボクシングがパウンド・フォー・パウンド(米老舗専門誌ザ・リング選定の最強ボクサーランク)の選手がたくさんいるし、そこでボクシングができているのは幸せなことだし、試されている。やりがいがあるし、楽しみ」と気合十分だった。

報道陣からモロニー戦の次にサンティリャン戦では相手として物足りないのでは、という声にも冷静に反応。那須川は「モロニー選手以上に知名度ある海外選手がいるかと言えばいない。中谷潤人選手が対戦した選手とか、他の選手も交渉してもらっていたんですが、都合で合わなかったりとかケガとかで。その中で1番強い選手とやることになった。こっちで決められない。世の中の人達に言いたいのは文句を言うなと。でも仕方ないことだと思う。そういうもんだし、もっとボクシングを知ってほしい」と苦笑していた。

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