ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(32=大橋)が12月に計画する「サウジ決戦」でポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(40)の「VIP援軍」を受ける可能性が出てきた。サウジアラビア・アルナスル所属のロナウドによる激励や観戦が実現しそうだと6日、ジム関係者が明かした。両者が中東で対面すれば大きな注目を集めることは必至。4日(日本時間5日)、米ラスベガスでラモン・カルデナス(29=米国)を8回TKOで下した井上は一夜明けた5日(同6日)、当地で静養した。

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以前から井上はロナウドと「接点」があった。20年11月、同じ契約を結んでいたスポンサーの橋渡しで、オンラインながら両者の対談が実現。当時、井上は「トレーニングに対する思いなどをお話しさせていただいた」と明かしていた。ロナウドと言えば、スイーツ禁止、禁酒、睡眠の8時間確保をはじめ、魚と卵、サラダ中心の食事療法を徹底。42歳まで現役を続ける意向を示す。長くトップスターであり続ける存在は、32歳になった井上にとって今でも刺激になるだろう。

このロナウドとの「接点」が縁で、サウジアラビア政府直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」からのスポンサー契約のオファーが届いた。昨年11月には推定30億円の複数年契約を結んだ経緯もある。ロナウドは今夏にアルナスルとの契約が満了するが、すでに2億ユーロ(約320億円)で2年契約延長が合意間近とされ、リヤド・シーズンの「顔」の役割を今後も担う見通し。ジム関係者は「ロナウド選手は親日家。リーグ日程さえ問題なければ、試合観戦も可能性があると聞いている」と明かした。

まだサウジアラビアの試合契約は結んでいない。井上が9月14日、名古屋で控えるWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)に勝てば、12月の交渉は本格化する見通し。ロナウドは「リヤド・シーズン」として開催された2度の4団体統一ヘビー級タイトル戦(オレクサンドル・ウシク-タイソン・フューリー戦)も公式イベントから参加していた。

ジム関係者は「リヤド・シーズンを運営するトゥルキ・アラルシク長官の判断次第で、両者が対面の機会はあるはず」と説明。井上の「サウジ決戦」が正式に決まれば、両者の「緊急合体」も一気に実現に向けて動きだしそうだ。

◆クリスティアーノ・ロナウド 1985年2月5日、ポルトガル領マデイラ島生まれ。スポルティング下部組織入りし02年にプロ契約。03年夏のマンチェスターU移籍後スターに。プレミア、スペイン、セリエAの3大リーグ制覇。バロンドール5度受賞。185センチ、85キロ。

◆リヤド・シーズン 19年からサウジアラビア総合娯楽庁の政府一大プロジェクトとして立ち上げられ、スポーツ、ライブ、展示会を開催。サッカーでは同国強豪アルナスルにC・ロナウドが加入。メッシ擁するパリSGと親善試合を行った。ボクシングでは4団体ヘビー級王座統一戦を行って話題に。米プロレスWWEや米総合格闘技UFCも定期開催。人気アーティストBTSがライブを実施するなど石油に依存する経済からの脱却を目指し、新たな産業として「エンタメ」を定着させたいという国家戦略の目玉になっている。

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