元K-1スーパーバンタム級王者でWBO世界バンタム級王者の武居由樹(29=大橋)が王座陥落した。同級1位クリスチャン・メディナ(25=メキシコ)との3度目の防衛戦に臨んだものの、1回からダウンを奪われるなどして4回TKOで敗れた。WBOからの指名試合として義務づけられた最強挑戦者に敗れた。無敗の格闘家でWBA、WBC世界同級1位の那須川天心(27=帝拳)との対戦実現は遠のいてしまった。
今年5月、元ムエタイ王者でアマチュア経験豊富な「歴戦の雄」ユッタポン・トンデイ(タイ)から計3度のダウンを奪って127秒TKO殺して以来、約4カ月ぶりのリングだった。昨年12月に負った全治4週間という右肩関節唇損傷からの復活を証明すると、6月上旬には練習を再開。武居は「仕上がりは過去一だと思う。150%のバッチリなコンディション」と手応えを示していた。
また8月上旬には静岡・富士合宿を行い、走り込み中心のメニューを消化し「全部がハードでした。しっかりと追い込めた」と手応え。キックボクシング時代の師匠で「POWER OF DREAM」ジムの古川誠一会長のもとにも通い「初心」を忘れずにリングに立っていたが、WBOから対戦指令されたメディナはやはり強敵だった。
那須川とは王座統一戦での対戦実現を希望していた。今年11月、世界初挑戦を予定する那須川との対決はボクシング転向の理由の1つだった。武居は「ボクシング界に来た時からのモチベーション」と言い続けている。さらにサウジアラビア興行「リヤド・シーズン」を運営する同国総合娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官(44)から参戦ラブコールも受けていた。
これまで海外マッチに消極的だった武居だが、同門の先輩となる井上尚弥(32)らが参戦しそうな舞台となるだけに「やらせていただけるならやりたい。大きいイベントでお祭りみたいにやるなら、ぜひ参加したい」と前向きな姿勢だった。しかし王座陥落で不透明な状況となった。
昨年5月の東京ドーム大会で王座獲得成功後、1年以上も守ってきた世界王座から陥落。那須川との対決、サウジ参戦には世界ベルトが不可欠だっただけに、武居はボクシングキャリア大きな岐路に立たされた。
■ラウンドVTR■
1回 ジャブの打ち合い。武居のボディー攻撃にメディナは右フックで対抗。終盤には左ボディーから右フックを決めた。残り40秒あまりで、メディナは右フックを顔面に決め、武居はダウンした。日刊採点はメディナの10-8
2回 1回にダウンを奪われた武居。打たれ強かっただけに、心配される。メディナは前半から右フック中心の連打。武居も左で対抗も単発。メディナは終盤も左右連打。振り回すパンチに場内どよめきも起きる。武居は終盤に左ボディーを入れて反撃。日刊採点はメディナ10-9
3回 武居が左ボディー攻撃。左も入り出す。メディナは右から左フックをタイミングよく決めた。メディナはボディー攻撃も開始。終盤もメディナが主導権を握った。日刊採点はメディナ10-9
4回 武居の右ジャブが当たり出す。メディナは右フックが強烈。中盤からコーナーで右フックから右アッパー6連打で、レフェリーが試合を止めた。武居は4回1分21秒TKO負け
◆武居由樹(たけい・よしき)1996年(平8)7月12日、東京・足立区生まれ。10歳の時、同区のPOWER OF DREAMジムの古川誠一会長の自宅に住み込み、キックボクシングの練習を開始。都立足立東高時代はボクシング部に所属。14年11月、K-1傘下のKrushでプロデビュー。17年にK-1スーパーバンタム級王座を獲得。17年のK-1年間最優秀選手に選出。キック戦績は23勝(16KO)2敗。20年12月にボクシング転向を表明し大橋ジム所属に。22年8月、東洋太平洋同級王座を獲得。24年5月にWBO世界バンタム級王座を獲得。身長170センチの左ボクサーファイター。

