ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(32=大橋)が5月2日、東京ドームでWBA、WBC、WBO世界同級1位中谷潤人(28=M・T)との防衛戦に臨むと6日、発表された。24年5月のルイス・ネリ(メキシコ)戦以来、2度目のドーム参戦。元統一ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)と並ぶ2度目のメインを務める。またWBC世界バンタム級王者の弟拓真(30=大橋)が同級4位井岡一翔(36=志成)との初防衛戦も決定。都内のホテルでカード発表会見が行われ、4人が思いの丈をぶつけた。
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大勢の報道陣に囲まれた井上はスーパーファイトの期待度を感じ取った。春を思わせるピンク色のヘアカラーで登場し「この2人が激突するという歴史的瞬間を必ず見てほしい。5月2日はボクシングにとって歴史的な日になると思うが、僕のボクシング人生においては1つの通過点でしかない。格の違いをみせて勝ちたい」と言い切った。
両者ともに国内記録のデビューから無傷32連勝同士で激突する。日本最高峰のカードと言っていい。井上にとって16年12月の河野公平戦以来、約9年5カ月ぶりの日本人対決だが、拳を交える元3階級制覇王者中谷の世界的評価は高い。ともに創刊104年の歴史を持つ米老舗専門誌ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超越した最強ボクサー)にランク入り。中谷が24年4月にPFP入りしてからファンから井上-中谷戦の待望論が出始めていた。
井上は「ファンが、やっぱり『中谷なら井上を倒せるんじゃないか』と。ちょっと待てよと」と意識し始めたという。過去に対戦した相手の違いを意識しながら「そういう声が上がっているのは積み上げてきた自分のキャリアを“なめられている”感じがする。やってきたことは違うよという格の違いをみせて勝つ」と何度もうなずいた。
先月21日からメキシコ人パートナーをジムに招聘(しょうへい)した。昨年12月、中谷が苦戦したセバスチャン・エルナンデス(メキシコ)が中谷対策としてパートナーに選んでいた長身サウスポー、アレクシス・シルバ(24)とスパーリングを重ね、着々と準備を整える。「すべてを高める。そうでなければ過去最高の自分は出せない。過去一の試合を必ずする」と井上。過去最高と言える高揚感を漂わせた。【藤中栄二】
<日本人同士のスーパーファイト>
◆ノンタイトル10回戦(70年12月3日、日大講堂)WBAスーパーフェザー級王座を5度防衛中の小林弘と、同フェザー級王座を4度防衛中の西城正三による、史上初の現役日本人世界王者対決がノンタイトル戦で実現。1階級上の小林が2-1の判定で勝利。
◆WBC世界バンタム級王座統一戦(94年12月4日、名古屋市総合体育館)王者の薬師寺保栄と、網膜手術から王座復帰を目指す暫定王者の辰吉丈一郎の団体内統一戦は、壮絶な打撃戦の末、2-0の判定で薬師寺が3度目の防衛に成功。
◆WBC、WBAミニマム級王座統一戦(12年6月20日、大阪府立体育会館)WBC王者の井岡一翔とWBA王者の八重樫東が、日本初の現役世界王者同士による団体王座統一戦で対戦。白熱の打ち合いの末、井岡が3-0の判定で王座を統一した。

