大相撲の幕内力士でブルガリア出身の碧山(30=春日野)が19日、東京・日本橋蛎殻町のロイヤルパークホテルで、同じブルガリア人女性のビオレタ・トドロバさん(35)と挙式披露宴を開いた。

 式には、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)やブルガリア出身の鳴戸親方(元大関琴欧洲)らの親方衆、幕内の御嶽海や春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)で新入幕が確実な十両宇良ら同門の関取衆ら、関係者約230人が出席し、2人の門出を祝った。

 なれ初めは2年前の15年5月の夏場所後。ブルガリアに帰国し食事をした際、偶然にも同じテーブルになり、共通の友人を介して紹介された。その時、ドイツで設計と建築のデザイナーとして活躍していたトドロバさんも、たまたまブルガリアに里帰りしていた。話が弾むうちに、双方の実家が距離にして80メートルしか離れていないにもかかわらず、その時が初対面ということも分かり、次第に愛情を深めていった。「運命です。(トドロバさんの)顔を見た瞬間、心の中で『オレの女性なんだ』と感じた」と碧山はのろけた。

 その後は日本とドイツの遠距離恋愛を続けていたが、互いの意思を確認し昨年4月にトドロバさんが「仕事をやめてアナタのところに行きます」と来日。師匠へのあいさつを済ませ7月から生活を共にし、8月30日に婚姻届を提出した。

 角界の隠語で、美人のことを「金星」という。一生の伴侶を得て碧山は「金星が1個(トドロバさん)だけじゃ寂しい。相撲でも金星(平幕が横綱に勝つこと)を挙げたい。もう1人じゃない。ボクのため、奥さんのため、部屋のためにも頑張って(2020年の)東京五輪まで現役を続けたい」と心機一転を誓った。