東十両2枚目の安美錦(38=伊勢ケ浜)が、らしさ満載の相撲で2連勝とした。

 東十両筆頭の蒼国来(33=荒汐)を押し出した。

 立ち合いから低い体勢でおっつけてから、左上手投げで崩し、こらえる相手をさらに左からの出し投げで土俵際へ。最後は右はず押しも加えて約24秒の熱戦を制した。

 「相撲を取るってことは、こういうこと。我慢して取った。我慢すれば勝てると思ってやった」と振り返った。疲労困憊(こんぱい)の中、充実感を漂わせた。

 ベテランらしく、取組中も自らの動きを客観視しながら勝つための道筋を探っている。「ここは我慢、ここは我慢、ここは頭をつけて…、という感じで冷静に。土俵際から押し返した時は、声援が来てるなってのも分かった」。土俵下の最前列で美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が観戦しているのも把握しており「高須院長喜んでくれたかな。特に面識はないんだけど、院長が来た時は割と勝ってるんだよね。土俵入りの時、『イエス』ってつぶやいてる(笑い)」という余裕もあった。

 「いい相撲を取ったね。流れに乗って、いきたいね」。3日目は、東前頭15枚目の徳勝龍と対戦する。アキレス腱を断裂した昨年5月の夏場所以来、8場所ぶりに幕内の土俵に上がる。