1場所での大関返り咲きを目指す関脇貴景勝(23=千賀ノ浦)が5日、秋場所(8日初日、東京・両国国技館)前の稽古を打ち上げた。都内の部屋で基礎運動や立ち合いの確認、幕下貴健斗のぶつかり稽古に約10分間胸を出すなどして、汗を流した。

5月の夏場所で右膝を負傷して同場所を途中休場し、7月の名古屋場所も全休だった。前日4日に続いて相撲は取らなかったが、これまでの調整については「順調だと思う。(相撲を取る稽古よりも)基礎の方が疲れる。昔から基礎で強くなってきたと思っている」と、納得の稽古を強調。「あとはコンディショニング」と、6、7日は休養や自主的なトレーニングに充てる計画だ。

前日4日は、稽古後に師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)に右膝の状態が思わしくないと報告していた。一転してこの日は好調と報告。千賀ノ浦親方が「膝はどうだ?」とたずねると「調子はいいです」と回答したという。同親方は「日によって違うみたい。昨日(4日)は調子が良くなかったけど。いい方向にいくと思う。本場所の一番に強いタイプ。(秋場所は)もちろん出場します」と期待した。全休を説得させた名古屋場所とは違い、堂々と送り出すことになる。

貴景勝自身も関脇に陥落したが、焦りや悲観することはない。「落ちたことは事実。関脇は関脇。ケガで幕下に落ちた人とか、自分よりも大変な人はたくさんいる。自分は1つ落ちただけ」と、心が揺れ動くこともない。3日には同部屋の十両貴ノ富士による、2度目の付け人への暴力が判明したが「自分はやるべきことをやるだけ。自分には、まったく影響はない」と言い切った。むしろ部屋頭として、部屋の力士らに訴えるように「集中しないといけない。僕らは、やるべきことをやるだけ」と、周囲を気遣うように話した。

秋場所で10勝以上を挙げれば大関に復帰できる。「(大関昇進目安の)3場所33勝、平均11番よりは、10番でつかみたい。でも、つかめなくても腐らずもう1回。10番が、そんなに甘くないことは分かっている。(秋場所で)成績が良くなくても腐らず、3年、5年先を」。23歳にして、目先の白星にとらわれず、将来を見据えていた。