トーナメントで行われる第78回全日本力士選士権が30日、東京・両国国技館で行われ、横綱白鵬(34=宮城野)が2度目の優勝を果たした。

3日に日本国籍を取得し、本場所に先んじて“日本人での初優勝”となり「いいもんだね」とニヤリ。右手小指の骨折により秋場所は2日目から休場したが、この日は右手でまわしを取る場面を見せるなど、不安を感じさせない内容で計5番を勝ち抜いた。「いい稽古になった」と充実した表情を見せる一方、患部の状態については「明日にならないと分からない。お医者さんと相談しながら。時間がクスリになる」と慎重な姿勢を見せた。

この日は選士権の前に東京・明治神宮で奉納土俵入りを行い、おろしたての新化粧まわしを披露した。現役続行の1つの目安とする20年東京五輪を1年後に控え、五輪のシンボルを綱の模様であしらった。土俵入りの際は、綱が覆いかぶさるが「(綱を外して)広げると見える。粋な計らい」と気に入っている様子だ。10月5日から石川・七尾市で始まる秋巡業も初日から参加予定。九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)に向け「15日間務めたい」と意気込んだ。

【佐藤礼征】