新関脇の朝乃山(25=高砂)が、東前頭筆頭の遠藤(29=追手風)に負けて2連敗を喫した。

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ケンカ四つで相撲のうまい遠藤に差し負けて、朝乃山に勝機はなかった。左からのおっつけで右差しを封じられ、体も伸びきってしまった。場所前の荒磯親方(元横綱稀勢の里)との稽古が身になってなかったようだな。昨日の阿炎にしても遠藤にしても、朝乃山は正攻法で真っすぐ来ることを前提に相撲を取られる。師匠の立場としては、そこは相手に読まれようとも小細工や駆け引きなどしない力士に育てたい。ただ、突き押しの阿炎には突き押しで、遠藤には突っ張って前に出ながら左上手でも右差しでも狙うなりの考えは、バリエーションとして持っていてもいい。常々、大関うんぬんは早いと言っているが、それだけ伸びしろがあるということ。勉強して苦労して、その先に大関という看板はある。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)