大相撲の小結御嶽海(28=出羽海)が8日、報道陣の電話取材に応じ、春場所(14日初日、東京・両国国技館)に向けて万全を強調した。

初日まで1週間を切ったこの日は、都内の部屋で幕下、三段目を相手に約20番相撲を取って調整。2月の合同稽古では、2日目の21日に横綱鶴竜と相撲を取った際に右胸付近を痛め、稽古を切り上げる場面があり「胸筋あたりが筋肉が固くなった。つった感じ。力も入らなかった部分があった」と当時の状況を説明。現在は「しっかり治療できたので今のところ問題はない」と、順調に回復していることを明かした。

関脇から小結に陥落した初場所では9勝を挙げて、三役の地位を守った。先場所は正代、朝乃山、貴景勝の3大関を撃破。「一番負けたくない3人。先に大関に上がられてしまったふがいなさもあるので」と、長く大関候補と呼ばれてきた意地を見せた。春場所では照ノ富士が大関復帰に挑み、初場所覇者の大栄翔は大関候補としても注目を集める。「周りは周りでやってほしい。(自身も)のんびりはしていられないのでね。自分のペースで周りを見ずにやっていきたい」と、マイペースを貫いて再び大関の地位を目指す。

東日本大震災から11日で10年。御嶽海は当時、東洋大入学前だったが、すでに入寮していたため東京にいた。「いろいろモノが倒れて大変だった。部屋とかちゃんこ場、調理場とかが使えなかったり、大変な部分があった」と地震の恐怖を体験。角界に入り、巡業などで被災地を訪れる機会もあった。「現場を目の当たりにして声も聞いた。相撲って特別みんなに勇気を与えられる日本の国技だと思う。みんなが見てくれているので、しっかり盛り上げていきたいなと思う」。節目の年に、土俵上での勇姿を見せることを誓った。