先代時津風親方(元前頭時津海)を父に持つ長男の木竜皇(きりゅうこう、18=立浪、本名・坂本博一)と次男の春雷(しゅんらい、16=立浪、本名・坂本正真)が、ともに前相撲デビューを果たした。

兄の木竜皇は同学年で鳥取城北高出身の向中野(18=宮城野)を下手投げで破り白星デビューを飾った。あこがれの本場所の土俵。「自分の夢だった土俵に立てて、すごい身が引き締まる気持ちです。素直にうれしい」と喜んだ。

坂本兄弟の父である先代時津風親方は、初場所中にマージャン店に出入りするなど、協会作成の新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反。2月に退職勧告の懲戒処分を受け、協会を退職した。

兄の木竜皇は今春に青森・三本木農高を卒業。当初、父が師匠を務める時津風部屋に入門する予定だったが、父の退職をきっかけに入門部屋を再考。同じく今春に千葉・柏第二中を卒業した弟の春雷とともに立浪部屋入門を決断した。

木竜皇は「小さい頃から力士になるのが夢だったので、こういうこと(父の退職)があろうと挑戦しようと思っていた。兄弟で入門したので、つらいことも苦しいことも分け合って切磋琢磨(せっさたくま)したい。まずは関取を目指して頑張っていきたい」と話した。

弟の春雷は学生相撲出身の宮城(22=尾車)に敗れた。立ち合いから一気に土俵際まで持ち込んだが、反り技で逆転を食らった。「焦って出てしまった。一気に持っていったけど、そこをうまくうっちゃられたというか、居反りでひねられて負けてしまった。最初の相撲は勝ちたかったので悔しい」と振り返った。

3学年上の兄と出世を目指す。「10代で関取になれるように頑張ります。お兄ちゃんに負けたくない気持ちはあります」と力を込めた。