日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)の定例会合が27日、東京・両国国技館で開かれ、引退の意向を固めていることが明らかになった横綱白鵬(36=宮城野)についても話題に上がり、横審の矢野弘典委員長(産業雇用安定センター会長)が横審の総意などを述べた。

正式な引退や年寄襲名には理事会の承認を経なければならず、同委員長は横審の席で「(八角)理事長から(白鵬)本人の(引退の)意向が正式に届けられたと認識している」と報告を受けたことを明かした。その上で「横綱在任中の実績は45回の優勝をはじめ、歴史に残るものがあったと思う」と功績を短く述べた上で「半面、相撲の取り口、審判に対する態度、土俵態度の振る舞いなどに目に余ることも多く、横審としてはその都度、反省を求めてきた」と断じた。その上で引退後、親方として後進の指導にあたる意向がと伝えられている白鵬に対し「十分に反省し相撲道の良き伝統を伝えてほしい」と求めた。立ち合いで問題視された張り手や、かち上げについては「一般ファンにも分かりやすい説明を」と協会に対し発信する必要性を要請したという。

引退決意のタイミングについては「いずれ来るだろうとは思ったが、まさか今日とは思わなかった」と横審委員の心境も代弁する形で語った。代表質問で、さらに白鵬の功績を問われた矢野委員長は「今までの横綱の実績と比べて見事な成績を収めた」と、やはり短いコメントを発した後に、苦言を続けた。「横綱というものは、もっともっと(成績以上に)大きな責任がある。自分1人が強くなるだけでなく、相撲界を引っ張っていかなければいけない立場。る、模範になる存在でなければいけないんです」。横審が抱く共通の思いを語り、さらに後進の指導で期待することについても「本来の相撲道をしっかり見つ直して、それにふさわしい力士を育ててほしい。(これまで横審が)折に触れて問題提起してきたことを、しっかり思い直して弟子に指導してくれるといい。ファンも国民は今後、本人がどんな行動を取るのか、自然と注目すると思う」と繰り返すように述べていた。