序二段は西27枚目の朝阪神(21=高砂)が、川村との全勝対決を制し、16年春場所の初土俵から各段を通じて初優勝を飾った。

「よく相手が見えてよかったと思います。最後に足がもつれたが、気合で前に出た。初日みたいな相撲でしたけど、何でもいいから前に出ようと思った」

立ち合いから思い切りよく突き放し、後ろ向きにさせた相手を最後は送り倒した。最高位は昨年夏場所の三段目93枚目。序二段でわずかな星差で勝ち越し、負け越しを繰り返してきた。それだけに「どうしたんですかね、今場所。自分でもおかしいなと」と本音をもらした。

朝阪神虎吉。生粋の阪神ファンだ。タイガースは昨季、惜しくもリーグ優勝を逃し、今季に大きな期待がかかる。「優勝してほしいけど、最低Aクラスですね」と話し、期待の選手には「及川投手とかが上がってくれば。あとは藤浪投手にも復活してほしい」とVのキーマンをあげた。

自身の優勝が、いい波及効果につながるか。「多少なりとも影響があればいいですが、自分の口からは何も言えません。まだ下っ端のぺーぺーなんで」。心の中で阪神タイガースの優勝、日本一を祈願した。