綱とりがかかる両大関がそろって白星発進した。先場所優勝の大関琴桜(27=佐渡ケ嶽)は東前頭筆頭の隆の勝を寄り切り、大関豊昇龍(25=立浪)も西前頭筆頭の霧島を寄り切った。横綱同時昇進となれば、70年春場所の北の富士と玉の海以来55年ぶり6例目となる。3場所ぶりに復帰の横綱照ノ富士は小結若隆景に敗れ、大関大の里も黒星スタートとなった。
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攻めて、攻めて、主導権を1度も譲らなかった。豊昇龍は立ち合いで左を差すと、すぐに寄り立てた。霧島に土俵際で粘られても休まず前に出ると、すかさず右から上手出し投げ。体勢を入れ替え、上体が伸び上がった相手を寄り切った。「集中して相手を見ながらやった。前に出ながら攻められてよかった。自分の相撲を取ることだけを意識した」。初の綱とり場所でも速さと力強さが光った。
先場所は千秋楽相星決戦の末、琴桜に敗れて13勝2敗の優勝次点。平成以降に誕生した11人の横綱で、昇進直前に2場所連続で優勝を逃した例はない。優勝に準ずる成績で横綱昇進の可能性がある琴桜に対し、豊昇龍は事実上、優勝が絶対条件。場所前に横綱昇進への思いを問われ「狙います。1日1番に集中すれば、優勝はついてくる」と、目標は優勝と公言。6日の稽古総見では琴桜、大の里に12勝4敗と仕上げてきた。
師匠の立浪親方(元小結旭豊)の配慮でこの日から今場所中の朝稽古は報道陣シャットアウトが決まった。豊昇龍もこの日の取組後に「場所中に酒は飲まない」と宣言。美酒に酔いしれるのは千秋楽の取組後。2度目の優勝と横綱昇進を決めてからだ。【高田文太】

