新十両で西14枚目の草野(23=伊勢ケ浜)が、12連勝で十両優勝を決めた。3敗の狼雅を下手投げ。1場所15日制が定着した49年夏場所以降、12日目での十両優勝決定は61年九州場所の内田(後の大関豊山)、77年春場所の琴乃富士に続いて3人目。新十両の優勝は昨年初場所の尊富士以来。新十両の初日からの連勝記録も従来の「9」から更新中だ。幕内の優勝争いは大関大の里が尊富士との2敗対決を制して、高安とともに首位を守った。
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全勝で快進撃を続ける草野の取組前に、3人の3敗力士が次々と敗れた。残る1人、狼雅との直接対決。「(勝てば優勝ということは)しっかり頭に入れていた。意識していた」。立ち合いで押し込まれ、巻き替えようとしたところを出られて後退するも、土俵際で逆転の右下手投げ。内容は「途中から覚えていない」としつつ、「ひと安心。今場所で1番緊張した」。史上最速に並ぶ12日目での優勝決定に笑顔が弾けた。
十両28人の中で最下位の西14枚目ながら、勝ちっぱなしで早々と優勝を決めた。その要因は日々の振り返り。宿舎に戻るタクシーの中で、その日の自分の取組動画を繰り返し再生する。悪いところはなかったか。腰が高くはなかったか。相手を呼び込んでしまったのはなぜか。勝っても浮かれることなく自分を見つめ、白星を積み重ねた。
十両で全勝優勝すれば、14年秋場所の栃ノ心以来11年ぶり6人目となる。「少しは意識しているけれど、まずは1つでも多く勝つだけ」。日大出身で、元学生横綱の有望株。「しっかり稽古して、まずは幕内に上がりたい」。全勝Vなら、1場所で十両通過の可能性が広がる。【奥岡幹浩】
◆草野直哉(くさの・なおや)しこ名は本名。2001年(平13)6月25日生まれ、熊本県宇土市出身。伊勢ケ浜所属。6歳から相撲を始め、熊本・文徳高から日大に進み、23年は世界選手権男子重量級優勝、全国学生選手権個人戦を制して学生横綱。24年夏場所で初土俵。183センチ、146キロ。得意は右四つ、寄り。

