目指すは「令和の牛若丸」だ! 日本相撲協会は30日、名古屋場所(7月13日初日、IGアリーナ)の新番付を発表し、新入幕を果たしたことで伝統のしこ名に改名した若碇改め藤ノ川(20=伊勢ノ海)が、名古屋市の部屋で会見した。「藤ノ川」は、明治時代の初代から数えて6代目で、いずれも幕内力士。「牛若丸」の愛称で、昭和30~40年代の土俵を沸かせた細身の4代目、先代伊勢ノ海親方で元関脇の森田武雄さんが「生きている間に次の藤ノ川を見たい」と話していたことと、小兵ながらスピード感あふれる相撲が魅力という共通点から、白羽の矢が立って新入幕を機に改名した。
6代目は「由緒ある、伝統のある名前をいただき、ありがたい。これをプレッシャーに感じず、付けてもらったという自信にして頑張りたい」と、力強く話した。先場所は西十両5枚目で12勝3敗の好成績。23年初場所の前相撲で初土俵を踏んでから所要15場所、十両は4場所通過の昇進を果たした。20歳は伯桜鵬を抜いて幕内最年少。176センチ、117キロは幕内屈指の小兵だが「将来的には三役を目指したい」と、最高位は前頭11枚目だった父の甲山親方(元大碇)の番付を超えることを誓った。
会見を見守った甲山親方は「どんどん番付を超えていってほしい。(午後)5時半以降に相撲を取っているところを見たい。小学生のころは区の大会でも勝てなくて、初めて全国大会に出場したのが中学生だったのに。まさかハタチで幕内力士になるなんて」と、成長ぶり目を細めた。さらに甲山親方は「令和の牛若丸になってほしい」と、自身が現役時代に師匠だった4代目の、後継者となる活躍と人気を期待した。
師匠の伊勢ノ海親方(元前頭北勝鬨)は「先代(4代目藤ノ川の森田さん)も『藤ノ川』という番付がしこ名に載ることを『うれしい、うれしい』と喜んでいた」と、自身もうれしそうに笑顔で明かした。藤ノ川は「しこ名に負けずに自分の相撲を取りたい。勝ち越しを目指す」と力説。伝統のしこ名に、新たな歴史を刻めることがうれしい様子。会見でも気負うことなく、終始胸を張って話していた。【高田文太】

