西序二段65枚目の椿富士(36=伊勢ケ浜)が、現役最後の取組を終えた。東序二段61枚目の千代天翔(20=九重)をはたき込み、最後の場所を4勝3敗で勝ち越した。
取組後、花束を受け取り、西の花道では伊勢ケ浜部屋の力士らからねぎらわれた。「アップしている時に翠富士関も来ていてくれて、自分の相撲があるのにありがたい。最後は絶対に勝ちたいと思いました」。安治川部屋(現在の伊勢ケ浜部屋)に入門し、15歳だった2004年春場所初土俵で、最高位は西三段目58枚目。「自分の中では十分やった。いろんな人とのご縁があって、20何年も相撲が取れました。自分の中で悔いはありません」。
一番の思い出には三段目昇進の時のエピソードを挙げた。「三段目に上がるのに、10年くらいかかってます。その時、雪駄(せった)を5、6足買ってもらったことがすごいうれしくて。大切に全部はきました。最後は、安治川親方(元関脇安美錦)に買ってもらった雪駄をはきました」。安美錦、照強、翠富士の付け人につき、部屋を支えてきた。
今後は、東京・西麻布のバーで店長として働く予定。かねて懇意にしていたオーナーから、声をかけてもらった。場所休み明けあたりに、オープンを予定しているという。「今後、SNSで発信していけたらと思います」と第2の人生に目を向けた。
安治川親方は「一緒に戦った仲間。ここまでよく頑張った。これまでやってきたことを思い返しながら、第2の人生で頑張ってほしい。今後、力になれることがあったら、言ってきてほしい」とメッセージを寄せた。【佐々木一郎】

