大相撲九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)を、本名の草野から改名して臨む義ノ富士(よしのふじ、24=伊勢ケ浜)が、相撲ファンの疑問、憶測に次々と回答、真相を明かした。28日、福岡市の福岡国際センターで行われた力士会に出席後、報道陣に対応。前日27日の番付発表で判明した改名について、先代師匠の宮城野親方(元横綱旭富士)の勧めだったといい「まず『よしのふじ』という音が先に決まって、そこから『よし』の漢字を探して『義』と『嘉』の2つに絞り『嘉』だと(師匠が元関脇嘉風の)中村部屋っぽいので『義』にしました」と経緯を説明した。
「義理人情を大切にするという意味を込めて」と、両親と相談の上、新たなしこ名に込めた思いも明かした。ただ「草野」のしこ名で、昨年夏場所の幕下最下位格付け出しとして初土俵を踏んで以降、全9場所で勝ち越してきた。2場所連続の十両優勝も、新入幕で優勝争いに絡んだことも「草野」としての実績。「番付とともにしこ名を育てていきたい。『あれっ、草野はどこにいった?』と言われないように」と、相撲ファンに名前と顔を一致させてもらいたい思いが強い。
もう1つ、明らかにしたい、誤解を解きたいことがあった。それが今月のロンドン公演を休場した理由。出発を2日後に控えた都内の部屋での稽古で、実は義ノ富士は右足の足首とふくらはぎなどに「最初は歩けなかった」という、ケガを負っていた。「何もできずに迷惑をかけるので」と、急きょ渡英を断念していた。
それがインターネット上の“うわさ”を目にして、誰よりも義ノ富士が驚いた。「パスポートを持っていないからロンドンに行けないっていう、ウソの情報が本当のように流れていた。パスポートはあります。しかも『処分した方がいい』なんていう書き込みまであって…。怖いですね、SNSって」と、大炎上の状況を苦笑いするしかなかった。「団体行動を乱す、破天荒なやつと思われていますよ完全に。なので、ぜひ記事で書いてください」と、いわれのないウソ情報で、大バッシングを受ける事態の収束を願っていた。
終始、笑顔で話していたが、実は右足の状態は深刻で「まだ九州場所は出られるかどうか分からない。今日、すり足を始められるようになった」と、今後の回復具合によっては、初日から休場する可能性もある。新たなしこ名「義ノ富士」は、自然と注目を集める運命なのかもしれない。

