大相撲の元大関若嶋津で元二所ノ関親方の日高六男(ひだか・むつお)さんが15日、肺炎のため千葉県内の病院で死去した。69歳。鹿児島県出身。「南海の黒ヒョウ」の愛称で親しまれ、2度の幕内優勝を果たした。アイドル歌手の高田みづえさんとの結婚も話題となった。親方として、小結松鳳山ら7人の関取を育てた。
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「若嶋津の現役時代、二子山部屋の稽古は厳しかったんですよね。何が違ったんですか?」。朝稽古後に、ちゃんこをごちそうになりながら聞いた質問に「う~ん、稽古よりも私は、そのあとの食事の稽古のほうがつらかったなあ」と当時の思いを明かしていただいたことがある。
身長188センチの長身ながら、自己最高体重は125キロ。「入門してから『もっと食え、もっと食え』と師匠に言われ、ご飯をおいしいと思って食べたことはなかったかもしれないなあ。おなかいっぱいになった後に、生卵入りの牛乳を飲んだり…」。増えにくい体質での過酷な増量は関取になっても続き、現役後期に内臓疾患で悩んだ一因だったかもしれない。「親方になって、初めて『こんなにご飯、おいしいのかあ』って思ったんだよね」。だからこそ、家族や弟子、後援者の方たちと一緒に囲む、ちゃんこは楽しい時間の1つだった。
「若嶋津」のしこ名についても「種子島だったり、鹿児島だったり、相撲界に入る前から支えてくれる人のためにも頑張らなきゃいけないと思ってね」と、かつて地元で活躍していた島津家から命名(新十両時は若島津)。感謝の気持ちを持ち続ける人柄ゆえに、人も仲間も、黒豚や焼酎などの食材や酒も集まってくる。まだまだ、かけがえのない笑顔な時間を楽しんでいただきたかった…。【13~14年大相撲担当=鎌田直秀】

