元大関で西前頭12枚目の朝乃山(32=高砂)が、左膝の大けがから昨年春場所で三段目で再起後、7場所連続となる勝ち越しを決めた。前頭琴栄峰に、立ち合いすぐに左で前まわしを引くと、圧力をかけて危なげなく寄り切り。4連勝で8勝4敗とした。再入幕の先場所は、最終盤の13日目から3連敗。目標としていた2桁白星に届かず、9勝止まりで悔しい思いを口にしていただけに、今場所はここから2桁白星を目指していく。
取組後、NHKのテレビ中継のインタビューに応じなかったのは、元大関の意地だった。横綱、大関を除いて通常、勝ち越した力士は取組直後にインタビューを受ける。だが朝乃山は、これを断った。「12日目ですから。もっと早く勝ち越していれば、いいですけど…。地元の方、ファンの方には申し訳なかったですけど、この成績では受けられなかったです」。幕内下位で勝ち越すのは当然の考え。優勝争いに加わることができていない、歯がゆい思いが、恒例の「勝ち越しインタビュー」を断るという行動となった。
支度部屋では普段通り、報道陣の取材に応じた。ただ、ここでも勝ち越しは、あくまでも通過点と強調。「まだ、あと3日ありますから。場所は終わっていない。先場所の(13日目からの)3連敗は悔しかったので、ここからが大事になってくる。悔いなく取りたい」。ホッとした言動はまるで見せず、表情を引き締め直していた。

