[ 2014年6月28日18時18分 ]W杯ブラジル大会で4ゴールを挙げているブラジル代表ネイマール

 W杯ブラジル大会の決勝トーナメント1回戦、ブラジル-チリが28日(日本時間29日午前1時)にベロオリゾンテで行われる。主催国のブラジルが、同じ南米のライバルであるチリをホームに迎える一戦だ。

 1次リーグでメキシコとクロアチア、カメルーンと同組だったブラジルは、2勝1分けで順当に首位通過を果たした。初戦のクロアチア戦に3-1で快勝した後、第2戦のメキシコ戦は相手GKオチョアに神がかり的なセービングを連発されてスコアレスドローとしたものの、最終戦でカメルーンを4発粉砕。王国としての威厳を保った。そのなかで、今大会で最も注目される選手の一人であるネイマールが4ゴールを記録し、好調を維持している点は心強い。チリ相手には、2000年に行われたW杯日韓大会南米予選以来、14年にわたって無敗を継続中。最近の12試合で10勝2分けと、素晴らしい成績を残している。

 対するチリは、オランダとスペイン、オーストラリアと同居したB組を2勝1敗の成績で2位通過。前回大会に続いて決勝トーナメント進出を決めた。初戦でオーストラリアを3-1で破ったチームは、第2戦で王者スペインに2-0で勝利するなど、今大会のサプライズとなっている。攻守にわたって高いインテンシティ(切り替えの速さ、激しさ)を保つスタイルは、現代サッカーのトレンド。一方で、疲労が懸念される戦い方であるだけに、決勝トーナメントからはコンディション面が鍵となる。とはいえ、まずは王国ブラジルを相手に全力での真っ向勝負を挑み、3位に入った1962年大会以来となるベスト8進出を目指したい。

 ◆W杯では過去に3度対戦

 両者は、過去のW杯で3度にわたって対戦している。チリが3位に入った1962年大会では準決勝で激突。FWガリンシャとFWババが2ゴールずつを記録し、チリを4-2で下したブラジルは、その後の決勝でチェコを退けて優勝している。1998年大会の決勝トーナメント1回戦では、MFサンパイオとFWロナウドがそれぞれ2度にわたってネットを揺らし、ブラジルが4-1と快勝。前回大会でも決勝トーナメント1回戦で対峙しており、この時もブラジルがFWロビーニョなどのゴールにより3-0で完勝と、チリを寄せ付けなかった。

 ◆ブラジル代表◆【4-3-3】

 予想スタメン

 GK

 ジュリオセザール

 DF

 アウベス、チアゴシウバ、ダビドルイス、マルセロ

 MF

 フェルナンジーニョ、オスカル、ルイスグスタボ

 FW

 フッキ、フレジ、ネイマール

 負傷者

 なし

 出場停止者

 なし

 負傷者、出場停止者はともにいない。スコラリ監督はベストメンバーを組むことが可能だ。そのなかで、1次リーグ最終戦のカメルーン戦で後半から出場してゴールを挙げたフェルナンジーニョが、今大会ここまで平凡なパフォーマンスに終始しているパウリーニョに代わって先発に抜擢されてもおかしくない。

 ◆チリ代表◆【3-5-2】

 予想スタメン

 GK

 ブラボ

 DF

 メデル、シルバ、ハラ

 MF

 イスラ、アランギス、ビダル、ディアス、メナ

 FW

 サンチェス、バルガス

 負傷者

 なし

 出場停止者

 なし

 こちらも負傷者、出場停止者はいない。メデルとビダルが26日の午後練習を欠席したが、今回の試合には間に合う見込みだ。サンパオリ監督は、出し惜しみすることなくベストメンバーを送り出すはずだ。

 ★注目選手

 ◆FWフレジ(ブラジル)

 

 1次リーグ3試合で4ゴールを挙げているネイマールは勿論、注目に値する存在だ。しかし、ここから先の戦いは、ネイマールだけに頼るわけにはいかない。セレソンの9番を背負うストライカーは、ここまで1ゴールにとどまっており、そのパフォーマンスにはブラジル国内から批判の声が挙がっている。この試合で不発に終われば、スコラリ監督から見切りをつけられる可能性もあるだろう。上背がなく空中戦に不安を抱えるチリ守備陣に対して、制空権を掌握して結果を残したい。

 ◆MFアルトゥロ・ビダル(チリ)

 

 負傷明けで臨んでいる今大会では、1次リーグの初戦と第2戦に出場したが、本来のパフォーマンスを発揮できていない。最終戦のオランダ戦では、サンチェスやバルガス、アランギスら主力が先発したなかで、完全休養を与えられた。中盤での激しい攻防が予想される一戦だけに、ビダルが本来有しているインテンシティ(切り替えの速さ、激しさ)と決定力を発揮できるかどうかが、チリの命運を握っていると言える。【超ワールドサッカー】