[ 2014年6月25日8時11分

 紙面から ]<W杯:オランダ2-0チリ>◇1次リーグB組◇23日◇サンパウロ

 オランダが全勝で決勝トーナメント(T)に進出した。後半32分、MFリロイ・フェル(24=ノリッジ)が頭で先制ゴール。同47分にはFWメンフィス・デパイ(20=PSV)が追加点を挙げた。後半途中から出場した若手2人が、出場停止のFWファンペルシーの穴を埋めて、チリに快勝。1次リーグB組を1位で突破し、決勝T1回戦でA組2位のメキシコと対戦する。

 オランダに勝利をもたらしたのは、20代前半の“若きライオン”だった。キャプテンマークを巻いた30歳のFWロッベンは「若い2人が活躍して、素晴らしい2点を取ってくれた。僕は決められなかったけどね(笑い)。重要なのは、ライオンが勝ったことだ」と興奮気味に話した。

 MFフェルは、出場から1分30秒後のファーストタッチで、代表初得点を決めた。後半32分、右CKショートコーナーからDFヤンマートが上げたクロスに頭を合わせた。188センチの屈強な体と、身体能力の高さから「用心棒」とまで呼ばれる24歳は、均衡を破ろうと投入したファンハール監督の起用に応えた。

 さらにロスタイムには後半24分から出場した、20歳の新星FWデパイが、FWロッベンからの折り返しを押し込んだ。13年11月に代表初招集。左足から繰り出すトリッキーなプレーが特徴的な高速ウインガーは今季、オランダのPSVで32試合12得点とブレークした。2試合連続のゴールに、ツイッターを更新して「なんて素晴らしいアリエン(ロッベン)からのパスだったんだ!」と喜びを表した。

 FWファンペルシーが警告の累積による出場停止の中、前回大会の準優勝の経験があるベテラン勢の陰で若手が台頭した。起用がはまったファンハール監督も「とてもハイレベルな試合だった。後半、我々はより多くのチャンスを作った」と満足げだった。悲願の初優勝へ、死角はない。