AKB48柏木由紀が、30歳を迎えている今もなお、アイドルとして進化を見せている。昨年11月26、29日に行ったソロコンサートでは、タイプの異なるステージでファンを魅了。BiSHらとコラボをしたり、バラエティー出演、YouTubeと活動の幅も広げている。このほど、日刊スポーツのインタビューに応じ、自身が持つアイドル美学について語った。

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昨年7月に30歳を迎えた。AKB48では、年齢の離れたメンバーと必死に汗を流して踊り、ソロでは初のアンプラグドライブを成功。YouTubeをきっかけに、若い女性ファンも増えるなど“アイドル柏木由紀”は健在だ。

30歳の節目を迎えようとしていた昨年6月、「脊髄髄内腫瘍」摘出手術を行い、約1カ月間休養した。06年にAKB48の3期生として加入以来、初とも言える長期に及ぶ休養だった。

「客観的に自分がいないAKBを見て、元気をもらって、『アイドルから元気をもらうってこういうことなんだ』と、加入して初めて実感できたんです! 結果的には、自分にとっても必要な時間でした」

昨年は、最後の1期生だった峯岸みなみ(29)をはじめ、4期の大家志津香(30)9期の横山由依(29)がグループを卒業。5期の宮崎美穂(28)や、10期の入山杏奈(26)加藤玲奈(24)も卒業予定で、10年以上苦楽を共にしてきたメンバーが、周りからほぼいなくなる。

「もちろん“引き際の美学”もあると思います。『周りにいっぱい見送ってくれる人がいるうちに…』という考えもあると思いますが、それは自分にとっての“アイドル美学”ではないというか…。目の前に私の歌を聞きたい、応援したいと思ってくれる人がいる限り、やりたいなと思っています」

今後もさまざまな挑戦を続けながら、歌を軸に「アイドルアーティスト」として走り続ける。

「歌って踊りたいし、かわいい衣装も着たいけど、ちゃんと歌も聞かせていきたい。アイドルとアーティスト、今は1つに絞れないですし、30代で両方やっている人もいないなと。とにかく、何でもできる人になりたいんです」。【大友陽平】

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昨年11月26日(パシフィコ横浜)、同29日(神奈川県民ホール)で行ったソロコンサートの模様は、明日15日午後10時からWOWOWで放送される。ほぼ同じセットリストながら、初日はバンド形式、2日目はアンプラグド形式とアレンジを変えて、マルチな姿を見せた。「アイドル姿をお見せしつつ、歌を大事に届けることにも挑戦しました。『まだまだ、この人は歌っていくんだな』というのを感じてほしい!」。