浜辺美波、目黒連のキラキラコンビが葬祭プランナーを演じている。長月天音さんのデビュー小説「ほどなく、お別れです」の映画化(2月6日公開)だ。
劇中、葬祭プランナーの目黒からリクルートされた浜辺とその家族はやや腰を引き気味だ。葬儀の仕事に抱くそんな後ろ向きなイメージを少しばかり前に進めるという意味では「おくりびと」以来の作品だろう。
「おくりびと」がアカデミー賞外国語映画賞となってから18年。修練の跡がうかがえる目黒の所作や浜辺の「新入り」ならでは素直な視線にいつの間にか引き込まれたのは、葬儀をより身近に感じる年になったからかもしれない、
就職活動がうまくいかない美空(浜辺)には秘密があった。亡くなった人の声を聞く能力があるのだ。ひょんなことでそのことを知った葬祭プランナーの漆原(目黒)から「能力を生かすべきだ」と誘われる。
漆原のスキの無い葬儀進行や指導に美空の心は折れそうになるが、一方で遺族の思いに寄り添う姿勢にしだいに敬意を抱くようになる。漆原は自分が知り得ない故人の思いを美空にくみ取ってほしいという。2人が目指す「最高のお見送り」とは。式の最後に漆原が言う「ほどなく、お別れです」に込められた本当の意味とは…。
漆原は納棺師のスキルも持った完璧な葬祭プランナーという設定で、言葉はそぐわないが、その鮮やかな手さばきに思わず見入ってしまった。「おくりびと」の元木雅弘の柔らかで自然な所作に比べると、やや格式張っている印象だが、緩急の付け方に漆原というキャラならではの練れた感じが出ていた。
監督は胸キュン作品が得意な三木孝浩。ラテン語のメメントモリ(死を想え)を胸に撮ったという。浜辺と目黒は意外にも初共演だそうで、互いの気遣いが上司と部下のほどよい距離感に反映されているように思った。【相原斎】




