濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が、日本映画として初めて作品賞にノミネートされたほか、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞でも候補入りして日本でも注目されている今年のアカデミー賞は、3月27日にロサンゼルスのドルビーシアターで授賞式が行われます。13日に行われた英国アカデミー賞授賞式では非英語映画賞を受賞しており、今年の賞レースの大トリとなるアカデミー賞の結果にも期待がもたれています。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で昨年は出席者を限定し、会場をダウンタウンのユニオン駅に移して授賞式が行われましたが、今年は従来の形式に戻って4年ぶりに司会者も復活。レディー・ガガがプレゼンテーターを務めることも発表されており、華やかなハリウッドの祭典が戻ってきそうです。
「ドライブ・マイ・カー」のノミネートで注目されるアカデミー賞ですが、過去に意外に多くの日本人がノミネート・受賞を果たしています。日本人の歴代ノミニーとオスカー受賞者を振り返って紹介したいと思います。
■黒澤明監督
”世界のクロサワ”として海外でも高い評価を受け、生涯で30本の映画を世に送り出した黒澤監督は、「羅生門」が1952年に現在の国際長編映画賞にあたる名誉賞を受賞したのを皮切りに、72年には「どですかでん」で外国語映画賞(現国際長編映画賞)にノミネート。75年には「デルス・ウザーラ」で同賞を受賞しています。また、86年には受賞を逃すも「乱」で監督賞ノミネートを果たし、90年には名誉賞にも輝いています。
■勅使河原宏監督
1965年に「砂の女」で外国語映画賞(現国際長編映画賞)にノミネートされた勅使河原監督は、翌年に日本人として初となる監督賞にもノミネートを果たしています。勅使河原監督、黒澤監督に続いて史上3人目となる監督賞ノミネートを果たした濱口監督は、もし受賞すれば日本人初の快挙となります。
■是枝裕和監督
「万引き家族」がカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞するなど近年、海外で高い評価を受けている是枝監督は、19年に同作で外国語映画賞(現国際長編映画賞)を受賞しています。
■滝田洋二郎監督
2009年に滝田監督がメガホンをとった本木雅弘主演の「おくりびと」が、日本映画として初となる外国語映画賞(現国際長編映画賞)に輝きました。「ドライブ・マイ・カー」が同賞を受賞すれば、「おくりびと」以来13年ぶり、史上2作品目の受賞となります。
■市川崑監督
文芸映画の名作を数多く世に送り出し、日本映画の黄金期から21世紀初頭まで第一線で活躍した市川監督は、58年に「ビルマの竪琴」で外国語映画賞(現国際長編映画賞)にノミネートされています。
■山田洋二監督
「男はつらいよ」シリーズで知られる山田監督は、04年に「たそがれ清兵衛」で外国語映画賞(現国際長編映画賞)にノミネート。
■宮崎駿監督
昨年オープンしたアカデミー映画博物館のオープン目玉企画に選ばれるなど、ハリウッドで高い評価を受けているスタジオジブリの宮崎監督は、03年に「千と千尋の神隠し」で長編アニメーション映画賞を受賞。その後も06年には「ハウルの動く城」、14年には「風立ちぬ」が同賞にノミネートされています。また、14年には映画界に多大な貢献を果たした映画人に贈られる名誉賞も、日本人としては黒澤監督以来25年ぶりに受賞しています。
スタジオジブリからは、15年に「かぐや姫の物語」が宮崎作品以外では初めて長編アニメーション映画賞にノミネートを果たしているほか、16年には「思い出のマーニー」、17年には「レッドタールある島の物語」も候補入りしています。
■早川雪洲
甘いマスクで全盛期だった20年代に、ハリウッドで喜劇王チャーリー・チャップリンを凌ぐ人気者だったと言われる早川は、57年に日本人男優として初めて「戦場にかける橋」で助演男優賞にノミネート。
■ナンシー梅木
梅木は1958年にマーロン・ブランド主演の「サヨナラ」で助演女優賞を受賞し、史上初の日本人オスカー女優に。
■渡辺謙
トム・クルーズ主演の「ラスト サムライ」で圧倒的な存在感を見せた渡辺謙は、04年に助演男優賞にノミネートされ、その後ハリウッドで活躍の場を広げるきっかけとなりました。
■菊池凛子
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督がメガホンをとり、ブラッド・ピットやケイト・ブランシェットら豪華キャストが集結した「バベル」で、ろう唖の女子高校生という難役を演じて助演女優賞にノミネート。
【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)





