2024年の賞レースの本格的な幕開けとなるゴールデン・グローブ賞の各候補が11日に発表され、今夏全米を席巻した「バービー」と「オッペンハイマー」がそれぞれ最多9部門と続く8部門でノミネートを果たしました。

今年で81回目を迎えるゴールデン・グローブ賞ですが、主催するハリウッド外国人記者協会(HFPA)の接待疑惑やセクハラ問題など相次ぐスキャンダルや、会員に黒人が一人もいないなど多様性の欠如が批判されたことを受け、一時は継続が危惧されていました。2022年の授賞式は、スターや映画会社が相次いでボイコットを表明したことを受けてNBCテレビが放送中止を決め、テレビ放送もライブ配信もない異例の形で授賞式が行われました。存続の危機に直面したHFPAはその後、複数の黒人を含む会員を新たに迎え入れるなどさまざまな改革に取り組み、昨年はレッドカーペットも復活させて華やかな雰囲気で3年ぶりに授賞式が通常開催されました。

ゴールデン・グローブ賞の候補が11日に発表された(AP)
ゴールデン・グローブ賞の候補が11日に発表された(AP)

それでも女性監督が一人もノミネートされなかったことが批判を浴びるなど問題点が指摘される結果となりました。CNNによると今年も授賞式まで1カ月を切った現時点でまだホストが決まっておらず、クリス・ロックら大御所からオファーを断られたと伝えられており、ダメージの回復にはまだ至っていないようです。

そんな中で発表された今年のノミネーションは大方の予想通り、バービー人形を実写化して大ヒットした「バービー」が、コメディ/ミュージカル部門の作品賞、監督賞、バービー役のマーゴット・ロビーとケン役のライアン・ゴズリングの俳優部門Wノミネート、さらに監督賞や脚本賞など9部門で候補入りしました。

映画「バービー」ジャパンプレミアイベントに臨むグレタ・ガーウィグ監督(2023年8月撮影)
映画「バービー」ジャパンプレミアイベントに臨むグレタ・ガーウィグ監督(2023年8月撮影)

また、クリストファー・ノーラン監督が、「原爆の父」と呼ばれた米理論物理学者ロバート・オッペンハイマー氏の生涯を描いた「オッペンハイマー」も作品賞、監督賞、脚本賞のほか、オッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィーが男優賞、エミリー・ブラントが助演女優賞に名を連ねています。

レオナルド・ディカプリオ(2019年8月撮影)
レオナルド・ディカプリオ(2019年8月撮影)

両作品に続いたのは、マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオがタッグを組んだ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」とエマ・ストーン主演の「哀れなるものたち」の7部門。アニメ賞には宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」と新海誠監督の「すずめの戸締まり」の2作品が候補入りを果たしました。「君たちはどう生きるか」は、久石譲氏が音楽賞にもノミネートされており、受賞が期待されます。

トム・クルーズ(2022年5月撮影)
トム・クルーズ(2022年5月撮影)

また、今年から新たに設けられた大ヒットした映画に贈られる「興行成績賞」には、「バービー」「オッペンハイマー」のほか、トム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」やテイラー・スウィフトのコンサート映画「テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR」などがノミネートされています。

授賞式は来年1月7日にロサンゼルスで開催予定です。そして、これが終わるといよいよ1月23日にはアカデミー賞のノミネーションが発表されます。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)