舞台俳優。大変だが、とてもやりがいのある仕事だ。先日終わった企画・演出の舞台「ハイスクール・ハイ・ライフ4(舞台ハイライ4)」で改めて思った。大きな舞台以外では、稽古3週間、本番1週間という日程で組まれることが多い。ギャラは自身で売った分の報酬をもらうチケットバック方式などもあり、新人であればセリフも少なく、1カ月拘束された上給料もあまりもらえない。「ブラックすぎるのでは」と俳優の働き方改善を、などとの意見があるが、お芝居はこれから。ファンもいないとなればここからはい上がっていくしかない。実力主義な分、頑張りがいはある。
「舞台ハイライ」シリーズ。「若い俳優に少しでも実践の場を」との思いから始めたが、新人登竜門の舞台として徐々に認知されつつある。事務所のレッスンやワークショップだけでは得られない経験がそこにあり、今のところ狙い通りの展開になってきている。また、前作から雑誌ジュノンと組むことになり(ジュノンボーイが多数出演)、その色はさらに濃くなった。これから舞台ハイライのOBたちが芸能界を席巻していく日が来るのかもしれない。
さてそこで今回紹介したいのは「舞台ハイライ4」に出演してくれた谷水力くん。偶然にも10年前のジュノンボーイで、今回は10年後輩たちとの共演となった。ジュノン後すぐに、舞台「あんさんぶるスターズ!オン・ステージ」でデビュー。その後も「弱虫ペダル」や「刀剣乱舞」といった人気舞台をはじめ、年間10本近くの舞台に出演する。2・5次元舞台を代表する1人といっていいだろう。
舞台の話に戻るが、人気や実力とともに人間性ももちろん問われる。今回の舞台では、舞台経験はもちろん演技経験がない若者がほとんどだったこともあり、まずは演技を教えることから始まった。居残りで教えることが増える中、率先して後輩たちの相談に乗ってくれたのが谷水くんや経験者の石津くんであった。
基礎的なことはもちろん自ら実演するなど、本当に夜遅くまで付き合ってくれた。最終的に判断するのは演出家であるため、俺ならこうするけど…と付け加えるなど、いろいろと配慮できる点も素晴らしい。
あらゆる仕事において、最初はオーディションを勝ち取ってキャスティングされるケースが多いが、キャリアを重ねていくことでオファー仕事が増えてくる。谷水くんの今回の稽古場での動きを見ていると、俳優としての実力もだが、それ以外の部分でも評価されてきているのがわかる。舞台に限らず、今後の活躍に期待です。
◆谷健二(たに・けんじ)1976年(昭51)、京都府出身。大学でデザインを専攻後、映画の世界を夢見て上京。多数の自主映画に携わる。その後、広告代理店に勤め、約9年間自動車会社のウェブマーケティングを担当。14年に映画「リュウセイ」の監督を機にフリーとなる。映画以外にもCMやドラマ、舞台演出に映画本の出版など多岐にわたって活動中。また、カレー好きが高じて南青山でカレー&バーも経営している。最近では映画「その恋、自販機で買えますか?」「映画 政見放送」24年10月には映画「追想ジャーニー リエナクト」が公開。





