テレビ東京新番組「一茂&良純の自由すぎるTV」でMCを務める長嶋一茂(左)と石原良純
テレビ東京新番組「一茂&良純の自由すぎるTV」でMCを務める長嶋一茂(左)と石原良純

民放4月改編で、タレント長嶋一茂(53)と石原良純(57)がいよいよコンビ化してきた。テレビ朝日深夜の「ザワつく!一茂良純時々ちさ子の会」が「ザワつく!金曜日」のタイトルで金曜午後9時枠に進出し、テレビ東京では水曜午後8時枠に新番組「一茂&良純の自由すぎるTV」がスタートする。ゴールデンタイムに冠番組2本。引っ張りだこの背景には「炎上しない毒舌」があるという。

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テレ朝「ザワつく!」は、一茂、良純、高嶋ちさ子によるトークバラエティー。昨年10月から水曜深夜枠でレギュラー化され、わずか半年でのゴールデン進出となる。

一方のテレ東「一茂&良純の自由すぎるTV」は、一茂&良純コンビがロケやスタジオで自由すぎる企画に挑戦するバラエティー。水谷豊プロデューサーは「テレビ界は予定調和が多すぎる、それを視聴者も見透かしていると感じている2人が、テレビ界の常識をぶち破っていく番組です。食べたくないものは食べないといった自由さで、視聴者にわくわく感をお届けしたい」と話す。

大物2世タレントで言いたい放題キャラという共通点を持つ2人。これまでもバラエティー番組で共演する機会は多かったが、昨年2月にテレ朝「徹子の部屋」にセットで出演し、黒柳徹子から「もはやコンビと言ってもいいお2人」と紹介されたあたりからコンビ化が加速した印象だ。先月も米映画「グリーンブック」の宣伝隊長として特別試写会で丁々発止のトークイベントを行い、人気お笑いコンビのような“芸風”を発揮している。

今やゴールデンタイムに2本の冠番組を持つ人気のポイントについて、テレ東縄谷太郎編成部長は「自由な発言、毒舌なコメントをしてもあまり炎上しないキャラクター性」を挙げている。

「いろいろな言動でトラブった経験があってもブレないから、炎上させたい側にとってはもはや手応えがない存在というか。1度そこを通り抜けたキャラクターは強いですよね。多くの人がフラストレーションをためているストレス社会で、本音を代弁してくれるような痛快さが人気なのだと思います」。バラエティーの新番組は認知されるまで視聴率をとりにくく、「表紙になるような目立つ名前」という面からも、テレビマンにとっては魅力があるという。

ちなみに、「ザワつく!」で一茂、良純とトリオを組んでいる高嶋ちさ子も、4月からTBSでゴールデンの冠番組「有田哲平と高嶋ちさ子の人生イロイロ超会議」(月曜午後8時)をスタートさせる。石丸彰彦編成部企画統括は「坂上忍さんの人気もそうですが、歯に衣(きぬ)着せぬ痛快さが今の時代に求められているMC像。高嶋さんもその1人。一流のバリオリニストであり、家庭も持ち、生きざまを踏まえた痛快さというMC力がある」。

結局、一茂、良純、ちさ子の3人を最初に集めたテレ朝の嗅覚を感じるが、テレ東も「10年前に一茂さんと良純さんのMC番組(「お茶の間の真実~もしかして私だけ!?」)を編成しており、先見の明はウチにある」と負けていない。いずれにしろ、4月からこの3人のカラーがテレビ界を席巻することになる。既視感回避のため「他局にはない魅力を見せていきたい」というコメントは、各局一致している。

【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)